ノンノンフリー商法に気をつけて!

ノンシリコン
ノンパラベン
ラウリル硫酸ナトリウムフリー
紫外線吸収剤フリー

コスメ好きではなくても聞いたことのあるようなフレーズ。
なんだか、よさそうですよね。

ところが、これらの成分はやたらと怖がるものではありません。

例えば、こちらのパンフレットを見てください。

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手元にあるとある商品のパンフレットですが、(折れてて申し訳ございません)
用途はハンドクリームです。

NO パラベン
  ミネラルオイル
  アルコール
  ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)
  化学成分
  香料
  着色料
  

気づいた方もいるかもしれません・・・
まず、ラウリル硫酸ナトリウムは、陰イオン界面活性剤です。
主な役割は洗浄

確認しますが、こちらはハンドクリームなのでスキンケア系の製品です。
そもそも陰イオン界面活性剤なんて入っているはずがないのです。

従って、ラウリル硫酸ナトリウムが敬遠されがちな成分だからといって、わざわざ表記する必要がありません
(ちなみにラウリル硫酸フリーと書いてラウレス硫酸ナトリウムが入っているケースも見かけます。
ラウレス硫酸ナトリウムは比較的安価なため市販品のシャンプーなどによく含まれる成分です。
脱脂力が高い傾向があることは確かですが、気泡性が高く、よく言えば洗浄効率が良い成分。経皮毒性はありません。)

ノン○○~や、○○フリーなどなんとなく良さそうに錯覚させるのは、
広告表示として正しくないと思います。

このように、消費者の不安から購入意識を煽るような商法を、
「ノンノンフリー商法」と名付けさせて頂きました。

企業戦略として、マーケティング調査からニーズに合う商品を届けることは有意義なことであるとは思いますが、
そのニーズを闇雲に利用するような商法技術の発展にも、消費者意識の向上にも繋がりません

商品自体が悪いものではなかったとしても、
正しい購入動機で正しい商品選びができるようにならないと、
お金と時間を無駄にし兼ねないのです。

今回の広告に関してもう少し触れましょう。

パラベン少量添加優れた防腐力を示すことに加え、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性などの毒性がほとんど認められないことが特徴の成分です。
1990年代後半に環境ホルモンの問題が大きく取り上げられた際、パラベンに似た構造のビスフェノールAがやりだまに上がったため、
少し似た構造をしていたパラベンの内分泌かく乱性が疑われましたが、
実際にはパラベンの人体への直接の有害性を示した報告はありません
パラベンフリーを実現するために、他の防腐剤の配合量が増えていることも少なくありません。

ミネラルオイルは純度が高い鉱物油。非常に安定性が高くアレルギー反応が起こりにくい保湿剤と言えます。
肌荒れしてしまったときにはシンプルにミネラルオイルやワセリンで保湿するのがいいくらいです。
油溶性が大変高いため、個人的にクレンジング剤としてはオススメできませんが、闇雲に怖がる成分ではありません。

アルコール(エタノール)は確かに刺激に感じる方は多いので、明記するのはいいことだと思います。

ラウリル硫酸ナトリウムは上記のため、割愛します。

化学成分について。
個人的には、化粧品は化学工業製品だと思っています。
合成だろうと天然だろうと、成分は”そのもの性質”が大切です。
(→参考記事◯「合成◯◯」の見方が変わる!かおり的持論。
石油由来は嫌われますが、ミネラルオイルやワセリンなどのように安定性の高い成分も多々存在しますし、
また石油由来の成分も、天然成分といえるのです。
 石油は地球が遥か長い期間かけて作り出した天然の資源ですから・・・。

香料は敏感な方は刺激を感じるかもしれません。
香りを感じるためには揮発するほど分子量が小さくなければいけません。
分子量が小さすぎると、肌刺激を感じることがありますお肌が弱い方は避けた法が無難です。
ところが香りの心地よさも、化粧品の魅力の一つ
無香料と香料無添加は意味が異なるので、気をつけなければいけませんが、
経験的に香料入り製品に刺激を感じるか否か、気にしていただくと化粧品の選択幅が広がります!

着色料ノンノンフリー商法で、
メイクアップ化粧品ではない本製品にわざわざ記載の必要性を感じません
また着色料は添加できる成分がポジティブリスト記載のもののみで、配合量も決まっており、基本的に安全といえます。

….笑 言わずもがなですが水に毒性はありません。
「原価の安すぎる水が入っているなんて詐欺だ!」という考えがあるからかもしれませんが、
水より安価な油性成分も存在します。(ミネラルオイルなど)

私が様々な商品を眺めてきた限り
ノンノンフリー商法の製品は、大抵何かをごまかしています。

本当に気をつけなければいけない成分は堂々と書いて、
的外れだったり、配合しても大して問題にならない成分をノンと書く。


正しい美容知識が普及すれば、このような広告が減っていくのだと、信じています。


情報過多になっている今、情報は選ぶ時代です。
変な情報はたくさんありますが、有用なサイトもたくさんありますし、無料で読める論文もあります。

今や、消費者がただただ騙される時代ではないと考えています。
ノンノンフリー商法に惑わされず、お化粧品を楽しめる世の中になりますように。

ブログを眺めながら、成分の知識を少しずつつけて頂けますと幸いです^^

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