「過度な洗顔をすると皮脂分泌量が増える」は本当か?

夏真っ盛り。暑い日が続きますが、
「テカり」が気になる方も多いのではないのでしょうか?

実は、夏になると増えるように感じる皮脂分泌は、
”汗”を多量にかくことによって肌の上に広がっているだけで、皮脂量自体は増えていないんだとか….

では、肌を強く洗顔すると、皮脂分泌量が増える気がする。

こちらは実際、どうなのでしょうか??

 

先月参加した月例美容研究会のテーマ『皮脂分泌』について
今日はレポートしていきたいと思います☆

ビューティーサイエンティスト 岡部美代治さんを研究リーダーとして、
皮脂分泌のメカニズムや、皮脂量の測定方法、各種データの考察などを行い、
その他理系メンバー中心に文献を調査し、活発なディスカッションが行われました…!!!
※お写真は岡部さんご退出後です(;_;)

ことの発端は、
「過剰な洗顔を続けていると、皮脂分泌量が増える」
と感じている方が数人いる一方で、
「皮脂分泌量はホルモン依存性であると考えられている」
という、『実感と皮脂分泌のメカニズムとの乖離』があったことです。

 

とある方の体験談があります。
今でこそ”優しい洗顔”を意識している方が多いですが、
ピーリングスクラブ洗顔などの角質ケア系の製品が出始めの時代では、「しっかり洗ってしっかり保湿!」が勧められていたりして、
オイリー肌を改善するために強い洗顔を繰り返し、皮膚が過敏になってしまったとのことなのです(;_;)

その時のお肌はいわゆる”ミカン顔”と言われる状態で、
毛穴が開きお顔はとってもオイリーで、ニキビにも悩まれていたそうで(;_;)

そんな時代に、皮膚科学的に適切なスキンケアを提唱していた岡部さんにご相談したところ、洗顔し過ぎていることに気付き、
マイルドな洗顔方法に変更したところ、、、、3年ほどかけて、平均的なお肌状態に戻ったのだそうです(≧▽≦)

実際、毎日同じ時間に水分量・皮脂分泌量を測定し続けて、
測定できないほどに振りきっていた皮脂量の数値が、通常の皮脂量に戻ったそうですよ…!!!

ここで気になるのが、「皮脂量の数値変わってますやん!」といことです。

ホルモン依存性だったら、皮脂量は年ごとに減らないはずですよね( ゚Д゚)

実際、お肌ではなにが起こっているのでしょうか…???

 

この答えは、実はとってもあやふやです。
というのは、皮脂分泌について、まだまだわかっていないことが多いからなのです。

例えば、Tゾーンは明らかに皮脂分泌量が多いですよね!
これは紛れもない事実ですが、理由はわかっていません

皮脂分泌は男性ホルモンによって促進され、、レチノイン酸によって抑制される、ということはよく知られているため皮脂分泌量はホルモン依存性とされていますが、
近年の研究では、紫外線、特にUVB照射によって皮脂分泌量が増加したり、
(秋友 他, フレグランスジャーナル, 2004年3月号, 19-25)
水で拭った時よりも、アセトンで拭った時の方が皮脂量の回復時間が早い、なんて報告もあるそうです。

一方で、肌の上の皮脂が多かろうと少なかろうと、皮脂腺には信号がいかないので、
皮脂を急激に増やすってなかなか難しいお話なんですよね(^^;)

 

何が起こっているのー????(;_;)

 

研究会では、二つの仮説が立てられました✨

仮説1.皮脂分泌量は変わっていないが、肌上の皮脂量が増えている。
これはどういうことかと言いますと、
過剰な洗顔を続けていると、摩擦刺激や保湿成分の流出などで、肌がダメージを受けてしまいます😨
そうするとお肌は「バリア機能が低下してる!守らなきゃ!」ということで
せっせと細胞を生成して、ターンオーバーを促進するのです。

ところが、表皮細胞は通常、産まれてから14日程度をかけて代謝をして、
平たい扁平な角質細胞の積み重ねとなってバリア機能を発揮します。
その後、さらに14日程度かけて垢として剥がれ落ちるため、ターンオーバーは約28日間と言われています(個人差あります!)

この時間が早すぎると、肌を守るのに不十分な”未熟な細胞”が表面化してしまうため、
バリア機能を十分に発揮できず、やはり刺激を受けやすい肌になってしまのです(;;)

しかも、通常であれば分泌された皮脂は角質層中にある程度蓄えられるものの、
この未熟な細胞達は皮脂を蓄えられるような状態ではないため、分泌された皮脂がそのまま肌表面に広がってしまう可能性があるのです。

これが、”過度な洗顔によるオイリー肌”のメカニズムではないか?という考えです^^

 

仮説2.過度な洗顔を続けると、やはり皮脂分泌量が増える

人の身体はホメオスタシスといって、急激な変化を嫌って元に戻ろうとする力が働きます。
”恒常性”とも言われますね^^

ダイエットにおけるリバウンドがまさにその例で、
急に体重を落としてしまうと、「急に体重減ってしまったから元に戻ろう!」と、
身体はエネルギー消費効率を悪くして体重を増やそうとする方向に働きます。

肌にももちろん恒常性は考えられるため、
「皮脂を除きすぎてしまったら皮脂を補おうとするんじゃないか」
という、とても単純な考えです!

ところが、「肌の保湿成分が不足していたら、積極的に作るべきは”セラミド”ではないか」という意見も…

肌の三大保湿因子 NMF, 細胞間脂質, 皮脂の中では、
細胞間脂質の保湿効果が圧倒的であり、その構成成分の5割を占めるのがセラミドなのです。

http://hc.mochida.co.jp/trouble/trouble0.htmlより引用

だから、セラミド入り化粧品は、肌実感もしやすく人気なのですよね^0^

実際、皮脂分泌量の研究って少し難しくて、
「ホルモン依存性はあるが、その他の要因についてはわかっていない」が正直なところだと思うのです。

肌に刺激を与え続けて、皮脂量を毎日観察した報告って、多分されていないんですよね(^^;

皮脂分泌量の測定方法は様々ありますが、
よく店頭で使われているのはテープのようなものを肌に押し当てて濡らし、光の透過量を観察しているような方法です。

ところが、それだとテープに移りやすい成分でしか測定できないですし、
皮脂腺の中はどうなっているの?というところまでは観察することができません。

 

正しく皮脂量を測定するのであれば、「溶媒抽出法」といって、有機溶媒に皮脂を溶かし込んで分析する
といった方法をとらなくてはいけないのですが、
一度その部位の皮脂を全部取ってしまうと、時間経過が観察できないなどの難点があります(^^;)

 

ですので、これだけ長々と書いていて、結論はよくわからないなのです笑(ごめんなさい💦)

一応、仮説2について、私の考察を述べさせて頂こうと思います☆彡

洗顔に限らず、紫外線や摩擦などのダメージを受けると、表皮ターンオーバーが促進されるというのは、紛れもない事実です。
余談ですが、ターンオーバーの観察方法は、お肌に蛍光物質をくっつけて、毎日毎日観察。
蛍光物質がなくなったところで、「お肌が生まれ変わったね」と判断することができるのです!

この蛍光物質はタンパク質にくっつきますが、脂肪細胞に狙ってくっつけられないのですし、
皮脂腺って毛穴に付随して埋まっているので、観察が難しいのですね”(-“”-)”

ターンオーバーが過剰に促進されてしまうと代謝が早すぎるために未熟な細胞となるのは上に述べたとおりですが、
それ以外にも十分にセラミドを生成することができなくなってしまいます
基底細胞で生まれた細胞は、有棘細胞⇒顆粒細胞⇒角質細胞へと姿を変えていきますが、
その過程でセラミドは合成されるため、早すぎるターンオーバーについていけないのです。

肌刺激を受けると、セラミドを作りたいけどそれどころじゃない!という状態になり、
「ちょっと頼りないけど皮脂で賄っておこう!」肌が考えるのではないかという考えです。

実際、ラットに紫外線を照射すると3日後には脂腺細胞数が増えたという研究結果から、
短時間での皮脂腺の応答は十分あると考えられますし、
『おもしろサイエンス 美肌の科学 福井寛[著](日刊工業新聞社)』によると、
どうやら皮脂分泌のメカニズムには
・血液から糖分をとって変換し、皮脂腺にて脂肪細胞を生成する
以外に、
・血中の脂肪をそのまま皮脂腺に取り込んで分泌する
といったメカニズムもあるそうなのです。
易しい本なので、根拠となるデータや詳細は正直よくわからないのですが、
これが本当だとすれば、皮脂腺が発達するよりも早い応答性で皮脂分泌量を増やすことができる可能性があります。

ただ、皮脂腺って、図を見ると毛細血管が接していないので、
どこから取り込むのー?という疑問は残ります。。。

 

結論として、やっぱりまだよくわからないです笑

皮脂分泌の研究は、上に述べた様々な理由から長らく停滞していたしていたようですが、
2004年代にハムスターの脂腺細胞が人間とよく似ていることがわかってから、
研究が再度盛んになり、実際のところまだ「研究中」の段階なのだと思います。

個人差も大きいですし、皮脂分泌量変化の研究は、長期スパンですからね(^^;)
今後、研究データが続々と報告されることを期待して、本日は終わりたいと思います☆

皮脂分泌のメカニズムはまぁわかったけど、
じゃぁオイリー肌の人ってどうしたらいいのよ!

次回のブログでは実際のケア方法についてお話させて頂ければと思います✨

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理系美容家 かおり

5月31日生まれ
宮城県出身
某国立大学大学院卒

【所有資格】
物質工学修士
コスメコンシェルジュインストラクター
日本化粧品検定一級
化粧品成分検定一級
ダイエット検定一級
カラーコーディネーター三級
入浴検定
デントフェイシャルケアセラピスト

【自己紹介】
化粧品研究員を目指していた背景から、
有機化学、無機化学、生化学等を学んできました。
加えて各種美容健康に関する資格を取得し、独学と合わせて
最短最適の美容法として「正しい美容知識の理解」を推奨しています。
又、化粧品では改善できないむくみ・血行促進・たるみ等へのアプローチ法として
筋肉・リンパをケアするフェイシャルトレージを考案しました。
趣味はダンスで、埼玉県北部のイベントや結婚式場でのflash mob, ショーケース等に出演しています。

【活動内容】
美容セミナー講師
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