美白化粧品は効果がない?美容のプロと語る『本当の美白効果』について

目利きの会

美白化粧品を使って、効果を感じたことはありますか?

Twitterによるアンケートの結果、「美白商品は効果がない」と答えた方が65%もいるそうです。

かずのすけさんのtwitterアンケート調査を拝借致しましたm(_ _)m

”美白”の効能を謳える化粧品は医薬部外品であり、使用方法が正しければある程度効果が出てもおかしくないはずですが、
何故このような結果になっているのでしょうか?

先日、美白ケアについて多方面でご活躍の美容のプロ達とフリーディスカッションを行いました!
日ごろから考える「美白」について様々なお話を聞くことができたので、シェアさせて頂きます^^

1.『美白化粧品』のイメージ

『美白化粧品』というと、皆さんは何を思い浮かべますか?
色白の綺麗な女優さんのようなお肌でしょうか。

美白化粧品に対するイメージを大別してみると、以下の3つに分けることができそうです。

 1-1.メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ。

これは、美白化粧品の中でも薬用化粧品(メイクアップによる美白効果を除く)の場合、
広告や能書きの端っこに※付きで必ずと言っていいほど書かれている文言です。

医薬部外品は”有効成分”が規定量配合されてたものであり、安全性と有効性を厚労省が認めた製品です。※健常肌に限る。
医薬部外品の中でも化粧品に分類されるもの「薬用化粧品」と呼びます。

何を隠そう、美白化粧品の”有効性”というのは、
「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」又は「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」そのものです。
なので、「効果はない」が6割もいるのは、かなり不思議なことのです。

話を前借してしまいますが、ここに、”美白化粧品に対する消費者の期待”がすれ違っている可能性が見えてきます。
医薬部外品申請をするために、シミを消す試験の必要がない
ことがポイントです。

因みに、薬用化粧品ではなくても有効成分と同様の成分を配合している化粧品はあります。
そういう化粧品の場合、効果があったとしても広告表記として美白効果の効能を謳うことができません。
寧ろ、薬用化粧品と違って配合成分濃度を濃くも薄くもできるので、
『薬用化粧品の方が一般化粧品よりも効果がある』とは一概に言えないのです。
※そして、「濃いほど良い」或いは「薄ければ安全」と言えるものでもないので難しいです。

 

 1-2.メーキャップ効果により肌を白くみせる

これはとってもわかりやすいですね^^
ファンデーションのような、トーンの明るい色を肌に塗ることで、肌の色を明るく見せることです。

この効果は医薬部外品でなくても、「肌を白くする」と言うことができます。
ただし、”メーキャップ効果により肌を白くみせる”という注釈が必要です。

メイクアップ効果は即時的なので、実感しやすいですね♪

 

 1-3.シミやそばかすを消す。

美白化粧品に期待すること。
もしかしたら、実質一位であるかもしれませんね。

長瀬産業さんの調査データによると、「頬のしみ」の悩み50代で最も多く、20代の約2.6倍もいるそうです。
だからといって、20代でしみに悩む方が少ない訳ではなく、お悩みランキングのTOP10に入っています。
30代は7位、40代は3位、50代も3位と言った具合です。
興味深いのは、40代と50代が一緒ということ。”諦め”ようなものが出てくるのかなぁ?と思います(^^;)

この結果は寧ろポジティブだと思っていて、
私も遺伝的にソバカスがいっぱいあるのですが、気にしていません(^0^)
経験論ですが、シミが気になるのって初対面の時か自分だけなんですよね(^^;
顔色がよければ、お顔のシミや色ムラなんてファンデーションでぼやけるし、
人とお話しするときって目を見て話すのでシミなんか見てないです笑
なので消せないシミは気にしなくていいんじゃないか、というのが持論であります!

話は逸れましたが、アンケートでは「頬のしみ」はとても関心のあるお悩みと言えそうです。
アンケート対象が「全国の美白に興味のある有職女性 500 名」なので、一般女性と比較するとややボトムアップされているかもしれませんね。

 

2.「美白化粧品は効果がない」と感じてしまう理由

ところで、「頬のしみが気になる」というお悩みは『日焼けによる色ぐすみ』とか『トーンアップ』じゃないんですよね!
繰り返しますが、美白化粧品の効果「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」又は「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」です。

“シミを消すため”に美白化粧品を使ったとしたら、効果を実感できる訳はないのです。

殺菌剤がアクネ菌だけを殺すことができずに他の菌も殺してしまうのと同じで、メラニンへのアプローチは、シミ部分だけに効かせることは困難です。
シミ部位のメラニンを無くそうとしても、周辺の色も抜けて白斑になってしまう可能性があります。

とはいえ、化粧品技術者は消費者の悩み”シミ”を安全に改善したいと思っています。
ですから、文献レベルでは『老人性色素斑に塗布し…』などといった表記もたまに見受けられます。

しかし、シミを消してしまうような効果は安全性が優先される化粧品としての役割を逸脱していることから、
そのような効果を謳うと医薬部外品には相応しくないと判断され、市場から商品を回収しなくてはいけなくなります。

実際、色々な方の話を聞いているとシミがなくなった事例はあるようですが、
買い手の我々が高い確率でのシミ消し効果を期待することができないため、あくまでも予防目的で使用するのが正解です。

※シミの中には、美白コスメが全く期待できない種類もあります。下記記事をご参照ください。

色白肌になりたい方の実践法!「シミの種類と原因を知って対策を見極める」編

 

3.美白化粧品への正しい期待

乾燥、ニキビなどと並んで人気のシリーズ美白化粧品ですが、
美白は期待値に対する満足度が低い傾向があることがわかりました。

同じく長瀬産業さんによる調査「働く女性の「肌と美白」に関する意識調査 」(2013年時点)によると、
「美白化粧品に対する金額の費やし方」については、
美白の効果はわからないが、今後も費やす金額は変わらないと思う」と答える方が各アイテムで半分弱程いらっしゃるのです….!!!

これにはかなり驚きました。
「美白化粧品を使い続けないと心配」という心情の裏返しなのではないかと感じました。

ところで、私は肌が白くなった実感はありませんが、美白化粧品の効果を実感しています

なぜでしょうか?

答えは、上述内容にヒントがあります。

私は今年の夏にハワイ旅行に行ってきたので、超強烈な紫外線を大量に浴びてきました💦
ところが、私の肌には見た目に変化がありませんでした^^✌♪

美白化粧品が、メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防いでくれたからです。
日焼け止めに加え、紫外線を浴びる前後で長期的に美白化粧品を継続使用しました。

具体的には、
ハワイへ行く2週間ほど前から、抗酸化成分であるアスタキサンチンやフラーレン、ビタミンC誘導体の入ったコスメを使用することで、紫外線を浴びると発せられるシグナルの阻害を狙いました。

ハワイへ行ってからは抗炎症・チロシナーゼ活性阻害によりメラニン生成抑制をしてくれるm-トラネキサム酸や4MSKの入った美容液を使用(成分的に資〇堂さん製品ですね笑)し、
帰ってきてからは、メラニンの排出をスムーズにするプラセンタ入りの美容液を使用しました!
※メカニズム詳細は下記美白ブログをご参照ください^^

色白肌になりたい方の実践法!「美白化粧品おすすめの選び方」編

 

紫外線を浴びてしまった時に、「赤くなりにくい」「黒くなりにくい」などの
肌に変化を感じないことが、美白化粧品の本当の効果と言えるのです。

調査結果の中には、クレンジングや洗顔料に美白効果を期待されている方もいましたが💦
もちろん、メラニンは洗い流せないですし、洗浄系コスメに美白効果はありませんので、
そういったところでも、美白化粧品についての正しい理解が必要なんだなぁと考えさせらせました。

 

3.美白化粧品あるあるで気を付けてほしいこと

ディスカッション中では、
「美白化粧品」というネーミングのせいか、「生まれながらの肌色よりも白くなれる化粧品」といった誤解や、
「シミ・そばかすを消す化粧品」といったイメージがまだまだ多いという話題になりました。
そのため、”美白”=”アンチエイジング”といったイメージがあるようです。

上述の通り、美白化粧品が効果を発揮すると、見た目に効果が出にくいものです。

美白化粧品の継続使用によって、チロシナーゼ活性阻害をし続けるなどの効果により使用中は肌全体の色素が薄くなるかもしれませんが、
シミ部位は慢性炎症状態でメラノサイトが異常活性していたり、
メラニンの黒化度と共に、”赤み”が強い、つまりシミ部位は血流量が優位に多く、血流の関連が示唆されるなど、
単にメラニンが蓄積されているだけではないので、シミが再現される可能性は十分に考えられます

シミに関する研究は、まだわかっていないことも多いのです。
レーザー治療やイオン導入も然り。

肌全体を健常状態にすることで微弱炎症を抑え、そのことにより色素が薄くなっていく
そんなアプローチは、今後期待できるのではないのでしょうか。

 

また、「飲む日焼け止め」は、実際には抗酸化作用のある物質を摂取することで、
活性酸素がトリガーとなるメラノサイト活性化のルートを抑えるような商品ですが、
日焼け止めを塗らなくていい訳では決してないですし、
飲んだからと言ってUVダメージをシャットアウトするものではありません。
「『飲む日焼け止め』を飲むことで、紫外線を避けない行動を増長させるのではないか」といった心配の意見もありました💦

ダメージのメカニズム、有効成分のメカニズムなどをしっかり理解して、効果的に商品を使い分けられるようにしたいものですね^^

 

4.最後に

少し難しい内容になってしまいましたが、美白化粧品の期待値と実態について、述べてみました。

日本には、「色の白いは七難隠す」という諺があったり、白い動物が神の使いであると言われるくらい、『白』という色に尊敬と憧れの念を持ってきました。

紫外線の肌への影響が明らかになった今、『色白ブーム』は今後も継続していくのではないかと考えています。
そのような中で、化粧品の有効性を楽しみながら実感するためには、「美白」と呼ばれる言葉を正しく捉える必要があります。

最大限色白肌を保ちたいのであれば、ダメージを防ぎ、炎症を避けることが一番の近道なのです。
この内容については、次回”アンチエイジング”についての記事でご紹介しますね^^

 

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