経験則とメカニズムから視る、『綺麗になれる人と、なれない人の違いとは?』

容器の外に塗っただけで、レモン果汁の味がまろやかになるクリームをご存知でしょうか?

そんな魔法のクリームがあると聞き、俄かには信じがたいものの気になる….!
月例美容研究会で、実験してみました!^0^

今月のテーマは

「経験則とエビデンスの心地いい関係」

大変興味深いテーマです!

〇「経験則」とは、その名の通り「実体験が動機となるもの」

例えば、「日常に運動を取り入れたら身体が軽く感じた」とか、「洗顔を変えてみたら肌がモチモチした」とか、直観的な意見ですね(^_^)

美容方法を提唱する多くの美容家さんは、この『経験則』をメソッド化しています。

〇「エビデンス」は、直訳すると「証拠」

効果効能には必ずメカニズムが伴います。
そのメカニズムを示唆するようなデータが取れていること
データを取る為の実験に再現性があることが求められます。

あらゆる肌悩みを持つ方々が簡単に手に取ることができる化粧品で、安全性のエビデンスがなかったら怖いですよね💦
また、自分に合う製品に出会うまで根拠もなく探し続けるのは、気が遠くなってしまいます(^^;)

ですから、化粧品選びにはエビデンスが必要です。

一方で、エビデンスに捉われ過ぎてしまうと、新しい気付きが得られなくなり、視野が狭くなってしまいます
そもそも研究は、経験則で得た”気付き”を探求してエビデンス化するもの。
経験則無しには、エビデンスは見いだせない
のです。

特に、化粧品は使用者の生活習慣使用方法精神状態でも効果が変わってしまう物。
経験則に頼らざるを得ない部分も多くあります。

異なるようで、関係性のある経験則とエビデンス
お客様を綺麗にするためには、どのようなバランスが大切か?
みなさんでディスカッションして参りました!

 

◎「信頼できる実験のルール」

さて、エビデンスを取る為には実験が必要な訳ですが、
どのような実験をすれば、信頼できるデータを取れるのでしょうか?

理系・文系関係なく、想い想いの意見を出してみました!

・条件が揃っている
・有意差の出るn数である
・被験者が使用品の成分を知らない
・ダブルブラインド(実験者も被験者も中身を知らない状態でテスト)
などなどの意見が出ました。
色々出て面白かったですー^_^

確かに、これらを全て実施すれば、信頼性の高いデータが取れそうです!
実際、化粧品に限らず研究はこういったことを配慮しながら行われています^^

 

◎不思議なクリーム実験
レモン果汁 実験

いよいよ、冒頭で申し上げた「レモン果汁がまろやかになる不思議なクリーム実験」をしてみました^0^
なんでも、容器の外側に塗布するだけで、レモン果汁の味が変わるというのです💦
ラジウム温泉の岩のパウダーが発するアルファー線がまろやかにするやらなんちゃらかんちゃら。
シミ、シワだけじゃなく、肩こり、関節痛、しまいにはバストアップまで効果があるのだそうです💦

商法的には、「本当に味が変わった!なんか効果ありそうだから肌悩みにも効くかも!」のように心理的誘導を狙っているのでしょう。
その商品は全成分表示がめちゃめちゃ(あり得ない順番だったり、成分名間違っていたり)なので、うさんくささMAXですが、
さて、どのような結果になったのでしょうか^_^

上記の項目に配慮して、次のような実験方法で行いました。


〇試料の用意

未開封のレモン果汁製品を2本用意し、
片方には容器側面にクリームを厚めに塗布し、片方には何もつけない状態で
両手で同時に3分間振り混ぜました。

途中の1分半で右手と左手を入れ替えました。

〇試飲方法

試料作製より3分後にそれぞれ開封し、同時にコップへ取り分けました。
片方に何も施していないレモン果汁を、もう片方に容器にクリームをつけたレモン果汁を入れました。

それぞれ見た目は同様で、区別がつかない状態です。
順番やお茶を飲むなどの飲み方はは自由としました。

①10名中6名の群は、中身のわからない”P” “Q”と書かれたコップのレモン果汁を飲み比べました。
②10名中4名の群は、片方のコップの一部にクリームを塗布し、予めクリーム塗布の有無がわかった状態で飲み比べました。

〇結果

試飲方法①を実施した6名を対象に、よりまろやかに感じた方を挙手してもらった結果、
・「Pの方がまろやかだと思った」 2名
・「Qの方がまろやかだと思った」 1名
・「どちらも同じだと思った」3名
と同等の数値となりました。

試験方法②を実施した4名を対象に感想を聞いた結果、
3名が「クリームを塗布していた方がまろやか」と感じ、1名が変化なしと答えました。

〇考察

ブラインドテストでは同等の結果が出たことから、味は判断しづらい程度の変化か、変化していないものと考えられます。
一方で、初めからクリーム塗布の有無を認識している群は、その効果を疑いながらも味の変化を感じていました
後の群はプラシーボ効果の可能性も否定できません

今回の実験では、”味を変質させる物質が入っていない証明”はできていないため、実際の成分の変質有無は明らかではありませんが、
「もし変わったとしても、人によって意見が違うレベル」といえそうです。


という訳で、
そもそも化粧品にそんな効果を持たせてはいけないので、納得の結果となりました。

それよりも、「怪しい」と思って取り組んでも、そんな気がしてしまうプラシーボ効果の高さに驚きました!!
「そんな訳ない!」と強く思ったとしても、「そうだったら面白いな」と心のどこかで思ってしまっているのかもしれませんね(^^;)

また、よく聞く話ですが”クエン酸”のようないわゆる疲れに効く成分は、疲れていたら甘く感じるし、身体が元気だったら酸っぱく感じるなど、
人間は必要な栄養素をある程度味覚で判断できる能力があります。
今回の実験は大変面白かったのですが、n数が増えればもう少し面白い結果になったかもですねー^^

 

◎同じ化粧品を使っても、綺麗になれる人となれない人?

上記のように、メカニズムがなんであれ味の変化を感じたという人がいることは、味覚には個体差があり、心理的影響が強いということです。
それは、化粧品でももちろん同様。

再び、アンケートで「同じスキンケア化粧品を使っているけど、キレイになれる人となれない人の違い?」を聞いてみました☆彡

これはかなり白熱しまして….!!次から次へと意見が出ました^0^
代表的なものを挙げてみますと、
使用量、使用頻度、塗布時の力、タイミングなど、【スキンケア方法】の違いから、
タイミング、合う合わないの見極め、肌変化に敏感、などの【成分や肌の分析能力】の違い、
マッサージ有無、メイクを落とさずに寝るときがある、生活習慣(睡眠・食事・運動など)、ストレスがある、疲れているなどの【外部因子】によるもの
お手入れを楽しんでいる、自分を大切にしている、前向き、素直、綺麗になりたいと思っているなどの【マインド】編はかなり意見が多かったです!

これらの意見は、経験的な推測に拠るところが大きいですよね。でも、たぶん合ってます
でもじゃぁ、これを完璧にできるかって無理で、どれか欠けていてもキレイになれると思います。

今回の質問に対する回答は、言い換えると【同じ化粧品を使っても効果が変わる要因】と言えそうです。
私たちはこれらの回答に対し、『参考にはなるけど根拠とはいえない』という結論を出しました。

化粧品は、これだけ多くの要因に振り回されて、使用効果が変わってきます
同じ生活環境の人でも、心理状態は違う。
同じ肌質の人でも、使う量が違う。
同じ時間マッサージをしても、頬が重点的か、リンパ節が重点的か。

評価系の統一は現実的には難しく、
大前提として、私たちはバラバラの人間であると理解しておくべきです。
「芸能人が使ったから良い」などということは、決してないのです。

 

〇化粧品と東洋医学

皆さんは、医学には西洋医学東洋医学があることをご存知でしょうか?

【西洋医学】

今、日本で一般的な病院で採用されているのは”西洋医学”で、
病気の人の細胞の状態有効成分分子構造、それを投与した時のメカニズムを明確にしたり、確かに効果がが確認できるエビデンスをとります。
悪いところのみを治そうとしますが、程度はあるものの副作用の懸念もあります。
例えば、抗がん剤は、がん細胞の分裂スピードが異常に早いことに着目して、異常増殖する細胞を攻撃します。
その結果、健常状態で細胞分裂の早い毛母細胞まで攻撃され、髪が抜け落ちるという副作用が起こるのです。

【東洋医学】

東洋医療は、西洋医学よりもずっと古い歴史があり、経験則で効果を謳います。
例えば、「紅花は紅い色をしているから血行を良くなるんじゃないか?」というとこからヒントを得て、
様々な人に紅花を飲ませ、効果実感を聞いたり、今では表面温度を観たりして、”生薬”とします。

西洋医学のように、「紅花のこの成分が…」というメカニズムの追跡はせずに、
人間を一つの”生のある固体”として、多くの成分の混合物を”生薬”として、扱います。

私は医学には全く得意ではないので、誤幣があれば申し訳ございません💦
”東洋医学と西洋医学”で検索してみてください💦

 

実は、化粧品も東洋医学と似たようなところがあると思うのです。
化粧品成分は、安全性を担保しなければいけないためメカニズムは明確でありますが、
化粧品は多くの製品の混合物である上に、使用者の質も環境もバラバラです。
前の実験で示唆されたように、気持ちの部分での効果もかなり大きくある中で、

化粧品はエビデンスで語れない・語る必要が無い部分が必ずしもあると思うのです。

モニター試験だって、完全に試験条件が統一できない以上、データを集積して結果を導く手法は、東洋医学と同じなのですから(^^)

 

〇最後に

今回のテーマ、
「経験則とエビデンスの心地いい関係」というとても深い内容でしたが、

・化粧品は人によって効果が異なることが大前提。
・化粧品の効果は使用方法と気持ちの持ち方で全然変わる。
・エビデンスのみで語りつくすことはできないが、化粧品の効果はエビデンスがベースにある。

ということが言えそうです。

そして、美容家さんが美容メソッドを提唱する時、
一方向からの視点で、クローズな環境で美容メソッドを提唱するのは、誤った理解のまま広まる可能性が高く、大変危険です。
運が悪いと、美容家発信の美容都市伝説が生まれてしまいます(笑)
専門家で美容都市伝説なんて、不名誉ですよね💦

是非我々と一緒に議論致しましょう!!!✨

素晴らしいアイディアは、シナジーから生まれると実感できた研究会でした♪

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理系美容家 かおり

5月31日生まれ
宮城県出身
某国立大学大学院卒

【所有資格】
物質工学修士
コスメコンシェルジュインストラクター
化粧品成分検定上級スペシャリスト
ダイエットプロフェッショナルアドバイザー
入浴指導士
デントフェイシャルケアセラピスト

【自己紹介】
化粧品研究員を目指していた背景から、
有機化学、無機化学、生化学等を学んできました。
加えて各種美容健康に関する資格を取得し、独学と合わせて
最短最適の美容法として「正しい美容知識の理解」を推奨しています。
又、化粧品では改善できないむくみ・血行促進・たるみ等へのアプローチ法として
筋肉・リンパをケアするフェイシャルトレージを考案しました。
趣味はダンスで、埼玉県北部のイベントや結婚式場でのflash mob, ショーケース等に出演しています。

【活動内容】
美容セミナー講師
MAQUIA(集英社)公式ブロガー
@cosme Beauty Specialist
かおり
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モデル (オフィス・イヴ所属)
咀嚼筋唾液腺マッサージ施術
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