社会人の皆さん!
いよいよ夏休み突入の方も多いのではないでしょうか?
私はまだお仕事があるのですが、世間の雰囲気に流されてお休み気分です(^O^)
今日は涼しかったですが、夏の熱中症は本当に油断ならないので、注意してくださいね(´□`。)
特に、昨日の様な真夏日には・・・。(´д`lll)
本当、暑かったですよねぇ。
そんな真夏の日の夜、ジムでトレーニング後のバスタイムでのことです。
シャンプーが、ものすっっっっっごく温かい!!(^_^;)
この炎天下の中、車中にバスセットを積んでいたからでしょう。
夜になり、涼しい部屋に数時間置いておいたにも関わらず、
ぬるいどころか、温かいΣ(゚д゚;)
ふと、「含有成分の安定性、大丈夫かなぁー?」と思いました。
そこから始まった私の妄想です。
少しマニアックな話ですが、ご興味ある方はお付き合いくださいませ。
以前も申し上げましたが、成分の効能は、その分子の化学構造に由来します。
大きい分子は重くて動きにくいので固体や液体で、
小さい分子は軽くて動きやすいので気体になったりします。
同様に、成分の安定性というものも、分子構造に由来します。
例えば、二酸化炭素と一酸化炭素を比べてみましょう。
二酸化炭素は呼気中にも含まれ、化粧品にも使われたり、特に毒性は少なさそうです。
一方、一酸化炭素は、冬場に換気をしないでストーブを焚き続け『一酸化炭素中毒』を引き起こしてしまうような、
なんだかよくなさそうなやつです。
構造式っぽくにすると、
二酸化炭素は O=C=O
一酸化炭素は C≡0
左右のバランスを比較してみてください。
二酸化炭素は左右対称ですが、一酸化炭素は対称じゃないですよね。
実は、分子はバランスがいい方が安定なのです。
単純ですが、こんなもんです。
厳密に言えば違いますが、簡単に言えば合ってます(笑)
電気的なバランスがよくなっているのですが、
上のように、見た目バランスがいいやつは電気的なバランスもいいです。
一酸化炭素よりバランスの良さを求めるために、
他の何かを攻撃する = 反応性が高い
ということになります。
当たりどころが良いと有効成分となり、当たりどころが悪いと毒となるのです。
一酸化炭素は、血中のヘモグロビンと親和性が高いため、
様々なエネルギー源である酸素の運搬を妨げるため、毒性となります。
まとめると、
安定 = 反応性が低い
不安定 = 反応性が高い
ということができます。
ところで、化粧品に配合する成分は様々ありますが、
反応性が低すぎるものを入れても、安定かもしれませんが良くも悪くも肌へ影響を及ぼしません。
NMF(天然保湿因子)や、細胞間脂質の主成分であるセラミドのように、
もともと肌の構成成分であれば、存在するだけで意味を成します。
多くは基底層で細胞が生まれた時から、上層へ上がっていく過程の代謝物ですから、
「もう反応し終わったもの」が最終形態として肌を守っている感じです。
ところが、美白作用とか、コラーゲン生成を促すとか、
積極的に効かせようと思うと、どうしても反応性が低いものばかり入れている訳にはいきません。
例えば、有名な例で言えばビタミンC
この子はとっても不安定で反応性が高いので、
そのままだと肌に塗る前に、化粧品の容器の中で壊れてしまいます^^;
なので、反応しやすいところ=バランスが悪いところに
バランスがよくなる化合物をつけます。
なおかつ、肌の中で元の形に戻るようなものをつけます。
(肌の中の酵素によって、元の形に戻るようにしています)
肌の中で反応性の高くなったビタミンCは、当たりがいいと、効果を発揮します。
(当たりどころが悪いと、刺激を感じます^^;)
ビタミンCは誘導体をつける少し特殊例ですが、
ともかく効く成分は反応性が比較的高いのです。
もちろん、化粧品は商品開発の段階で安定性を確認し、
分離しないか、成分が壊れないか、きちんと試験をしてから販売されます。
ところが、
車中に化粧品を放置するような、
様々な使い方をする消費者の行動をメーカーは全部把握することはできません(^^;
試験にて保証されるのは、
常温、冷暗所、未開封にて3年間での状態。
開封したら酸素に触れて酸化しやすくなりますし、
溶媒が揮発して濃縮されれば、化粧品成分同士の反応性が高まったり、
容器に肌が触れれば雑菌のリスクもあったり・・
車中でなくても、夏の屋内は、閉めっぱなしだと気温もかなり上昇します。
成分の構造が壊れて肌トラブルを引き起こさなければいいのですが
(効能もなくなってしまいますが)、
刺激性のものに変わってしまっては良くありません。
例えば、天然の保湿クリームと呼ばれる肌が分泌する皮脂のような構造の油脂は、化粧品にもよく配合されます。
そんな油脂でさえ、酸化安定性が低く、肌に刺激になってしまうものがあります。
思わぬ保管状況や使用方法をして、劣化した化粧品の影響は、
正直誰にもわかりません(^^;)
本当に、思いもよらない使い方をする方っていますから(^^;)
(面倒だから化粧水の蓋を閉めないとか、医薬品のケ◯ミンクリームを乳液代わりにするとか(^^;)
ただ、大量に、なおかつ長年市場に出回っている商品(成分)であれば、
大きなトラブルは必ず報告件数が積み重なり、
業界全体で成分の使用を自粛するようになります。
(PGやラウリル硫酸Na(ラウレスではない)、オキジベンゾンなど)
ただ、新規成分はそういったトラブル事例が十分に出回っていない状態です。
私は仕事で接着剤の寿命を見ていたいりもするのですが(笑)、
寿命予測って、本っっっっっっっっっ当に難しいです!
化粧品では、加速試験というものを行い、高温多湿下に商品を保管したりなどして、
擬似的に長期間保管状態を作り出します。
でも、あくまでも擬似的なので、
「◯℃で湿度◯%のところに◯日おいたら、実際、室温で◯年立ったことと同じにしよう」
と決めたことです。
ある程度保証ができたとしても、正確ではありません。
本当にその通りになるかは、正直わからないのです。
新規成分は、そういったリスクがあるのに、流通量が少ないから高価になるという現象もおきます(^^;)
※”新成分”と見せかけて、”新採用!”という表記もあるので、お間違いなく^^)
なので、もの珍しい成分でとっても効果が高そうなものを使用する場合は、
・保管にしっかり気をくばる
・開封後、すぐに使い切る
ことを推奨致します!
それができなかったら、
市場に長期的に出回るまで見守ること
壊れた成分は、効能はないし何が起こるかわからないし、いいことなんてありません^^;
蛇足ですが、本記事の化粧品成分の安定性については、私がずっと懸念していたトピックであります。
というのは、
私が有機合成の研究時代に出発物質として使っていた物質は『超安定』と言われているものだったのにも関わらず、
精製が不十分で不純物が少し入っているだけで、
段々黄色く変色していく様子を目の当たりにしたからです((((((ノ゚⊿゚)ノ
安定性がウリだったのに(;;)
そんな経験から、成分の安定性って、ものすごい難しいなぁ、という印象を持っていました。
一般的に、同一成分であれば、物質が壊れやすい環境として
・濃度が高い
・室温が高い
・不純物の存在
・酸素の存在
が挙げられます。
これらの要因で、物質は不安定になってしまいます。
化粧品って、不純物とは言わないですけどバリバリの混合物ですよね^^;
そして効果のある成分を配合・・・
しかも、大体の化粧品は乳化!!!!
「研究者の方ってすっっっっっごい工夫されているんだろうなぁー」と、思っていたのです(-x-;)。
ちょっと言葉が違う新原料は既存の成分の組み合わせを変えていたりするものもありますし、
安定な物質をちょこっといじったものもあるので、全部が全部怖がる必要はありませんが、
判断できない或いはお肌が弱いと自覚している方は、なおさら使用を控えるべきだと思います。
最後に、化粧品って、開発者からのラブレターです。
使用期限の記載がなければ、保管期限は
未開封で3年間、開封後でも1年間となっています。(あくまでも常温かつ日の当たらない場所)
これは決まりごとで、保証期間がより短い場合は、使用期限と保管方法を明確に記載しなければいけません。
また、コットンで使うか、手で使うか、
化粧水の前か、後かなど、箱に記載してある内容は、
限られたスペースの中に、効果が最大に引き出されるような使用方法が検討され、記載されているのです。
だから、使用方法をよく守ってね♡
もちろん、保管方法も含みますよ!
以上、長くなりましたが独り言でした^^
私の記事がご参考になれば、ぽちっと押してご投票をお願い致します