泡とは、何でしょうか??
洗顔では泡が必要なのでしょうか???
先日、MAQUIA blogでラピスラズリ LLモイストヴェールソープをご紹介させて頂いたのですが、
https://maquia.hpplus.jp/blog/account/kaorin_maquia/skincare/FIeFMmE
こちらの石鹸の特徴が『泡立てなくてもいい』ことで、
時短洗顔を提唱するとてもユニークな商品だったのです!
もこもこに泡立てるの、大変ですもんね(^^;)
本日は、この『泡』について、
科学的に眺めてみたいと思います^_^
◯界面活性剤は、泡が立つ?
ちょこちょこ触れてきた話題ですが、
界面活性剤と一口に言っても、大きく4種類に分けることができます。
親水基と呼ばれる、水と馴染みやすい部分のイオン性によって分類されているのですね。
(水色の丸)
実はこの中で、泡立つのは陰イオン型と、両性イオン型界面活性剤。
もしくは若干カチオン型も泡立つかもしれません。
◯泡の構造を見てみよう!
泡の正体は、界面活性剤によって形成される電気二重層です。
水を介して界面活性剤の親水基が集合しているのです。
放っておくと、水も界面活性剤も重力によって下方向に引っ張られ、
膜は薄くなり、やがて崩壊します。
ところが、親水基がイオン性を帯びている場合、
膜が薄くなると矢印(↔︎)のように、親水基のイオン同士が静電気的反発をして、
膜を安定に保つことができるのです。
このことからわかるのは、ノニオン型界面活性剤では泡が立ちにくいということ。
現に、ノニオン系は消泡剤としても利用されています。
また発展させて考えると、
アミノ酸系界面活性剤よりもサルフェート系界面活性剤の方がよく泡立つのは、
サルフェート系の方がイオン性が大きいから、と言えそうですね。
さて、この泡は何に役に立つかというと、
①摩擦力の減少
②界面活性剤濃度の低下
③洗浄効率の向上
が挙げられます。
①摩擦力の減少
上図の通り、泡は空気を多分に含んでおり、ふわっふわです。
お肌は摩擦によるダメージを大変嫌いますが、
”摩擦”は、力が加わらないと発生しません。
泡に垂直に力を加えると、泡自体が横に逃げてしまうため、
肌に直接力が加わらず、摩擦が低減されるのです。
泡自体は重力を受けているため摩擦力はゼロではありませんが、
シャンプーや洗顔の広告等でたまに謳われている”泡による摩擦ダメージ”のフレーズには疑問を感じますね(^^;)
②界面活性剤濃度の低下
泡を立てると、上の図のように界面活性剤は水を介して配列します。
つまり、石鹸をそのまま取った状態よりも界面活性剤濃度が低下するため、
洗浄力がマイルドになり優しく洗い上げることができるのです。
③洗浄効率の向上
泡の構造を見ていると、
液体状態の時よりも空気(或いは汚れ)と触れる表面積が非常に大きくなっています。
泡の表面は疎水基でいっぱいなので、効率的に油汚れを効率的にキャッチすることができるのです。
洗浄力はマイルドに、かつ効率よく。
泡は、思ったよりも役割がたくさんあるのですね^^
④pHの調整
これは石鹸のようなアルカリ性の洗浄剤 かつ洗顔ネットを使わず手で泡立てた場合に限ります。
肌の表面は弱酸性に傾いているため、手で泡を立てるとアルカリ性の石鹸を中性に近づけることができます。
お肌に触れる泡をよりマイルドにすることができるのです。
逆に言うと手はアルカリに触れるのでバリア機能は一時的に乱れますが(^^;
健常なお肌であれば、皮膚常在菌等の働きにより肌表面は弱酸性にちゃーんと戻りますよ(アルカリ中和能)^0^
◯もこもこの泡はいらない!
というわけで、私は石鹸の使い方としては泡を立てることを推奨します。
とはいえ、「泡出てる」ことに躍起になる必要はないと、私は考えています。
泡は摩擦を軽減できるかもしれませんが、
要は力を加えて洗わなければ摩擦のリスクは回避できますし、
多くの洗顔料の洗浄力は意外と高いので、もこもこの泡を立てまくったところで使い切れずに余ってしまうでしょう。
泡をもっちりもこもこさせるために増粘剤などを添加している製品もありますが、
個人的には原価が上がるだけかななんて思ったりして^^;
泡の気持ち良さに魅力を感じることは◯
でも、もこもこに泡立てないと毛穴が綺麗にできない!なんてことはないですからね^^
大切なことは
力を入れずに洗うこと
使いやすい、お好みの使用感の洗顔を探してみてくださいね♡