先日、BOTNIST ヴィーガンラインの新製品発表会へ参加してきました❗️
会場は表参道にある緑でいっぱいのBOTANIST CAFEです!
「植物と共に生きるライフタイルブランド」をコンセプトに掲げ、ヘアケア市場第3位という超ビッグブランドに成長。今年で5周年を迎えました。
この日は、取締役兼マーケティング本部長の藤岡様よりBOTANIST ブランドキャンペーンについてのご説明と新ライン”BOTANIST ヴィーガンライン”についての新製品発表がありました✨
化粧品では珍しい「ヴィーガン」について、発表会で頂いた知見と意見をふんだんに盛り込んでレポートしていこうと思います。
かなり長いので、製品詳細が気になる方はすっ飛ばして▶6.BOTANIST ヴィーガンラインの感想をご覧ください^^
Index
1.ヴィーガンライフライフスタイルとは?
「ヴィーガン」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
私のイメージは「菜食主義」。
実際のところ、ヴィーガンとは
「美容・健康・環境保全・宗教の習慣・食の安全性など、さまざまな目的から、動物性原料を含むものを一切口にしない、動物実験などで動物を犠牲にするものは一切口にしない・身に着けないなどといったライフスタイル」
を指すのだそうです。
そのルーツはイギリス。
動物区福祉・動物愛護の精神が強い欧米で、政治的・倫理的に正しい食べ方を追求していく中で生まれた哲学的思考なのだそう。
それが健康的で、自然環境的にも正しいということで受け入れられ、広まった経緯があるのだとか。
乳製品、卵、蜂蜜などを一部口にするベジタリアンと違い、「完全菜食主義者」とも言えそうです。
2.日本で”ヴィーガン”の選択をしたSUNPEDAL YOKOさん
この日に頂いたケータリングはヴィーガンライフスタイルを選んだSUNPEDAL(サンペダル)のYOKOさんが作る料理。
- 新製品のシャンプー・トリートメントに配合されているカカオ、コーヒー、クランベリーなどを使用した小麦不使用のカカオトライフル
- 小さな植木鉢をイメージしたフムスのサラダ
- 出来合いの調味料を使わず、ターメリック等で鮮やかに色づけたカレー稲荷寿司
の3品です。
どれもしっかりした味で、びっくりするくらい美味しい❗️😲
YOKOさんの「食の可能性を切り拓いていきたい」という言葉が印象的でした。
ヴィーガン料理は肉を使わないことはもちろん、出来合いの化学調味料や砂糖、はちみつ、アガペシロップなどの甘味料も一切使用しません。
どんな宗教の人でも、どんな国の人でも一緒に食卓を囲める料理。
そして空腹を満たすためではなく、人生の一部である“食”についてしっかりと考える丁寧な生き方です。
価値観を押し付けるのではなく、「多様性」がますます重要視される現代に求められる一つの選択肢。
BOTANISTは「共に生きる」をテーマとして日本で少ないヴィーガンライフスタイルを選んだYOKOさんの生き方にフィーチャー。
動画が公開されているので、是非ご覧ください。
3.”ヴィーガン化粧品”とは?
2016年以降、世界のヴィーガン製品の割合は増加傾向。
2019年ヴィーガン製品の割合は、前年比1.5倍と急成長な市場です。
食べ物ではわかりやすいヴィーガンですが、化粧品ではどのようなものが”ヴィーガン”になるのでしょうか?
BOTANIST ヴィーガンラインの特徴は、
- ✔動物性原料を使用していない
- ✔製造過程で動物実験が行われていない
- ✔イギリスのヴィーガン協会認証取得
- ✔PeTA認証取得(アメリカの動物保護団体)
- ✔環境に配慮したバイオマス容器
といった、オーガニック認証機関と同様に下記のような”ヴィーガン認証機関”取得済みを謳っています。
- ■Vegan
イギリス(イングランド及びウェールズ)のヴィーガン認証団体。製品に動物由来原料や素材が含まれていないことを証明 - ■PeTA
アメリカの動物の権利 (アニマルライツ)運動団体。動物由来原料不使用及び動物実験を行っていないことを保証
今後は、このようなヴィーガン認証取得済みの製品が「ヴィーガン化粧品」としてカテゴライズされていくと考えられます。
4.化粧品における”ヴィーガン”的製品は珍しくない
ところで、シャントリのメインとなる界面活性剤は植物油脂を原料として合成しているものが殆どで、いわゆる“植物由来”は珍しくありません。
また、近年欧州を中心に世界各国で動物実験反対運動が高まっており、2009年にはEUで化粧品とその原料について動物実験が完全に禁止され、動物実験を実施した製品は販売できないという法律が可決。
日本や米国、そのほかの国でも動物実験廃止の動きが強く、グローバル市場を狙う日本メーカーも動物実験を廃止を宣言してきています。
▶資生堂「動物実験と代替法に対する取り組み」
新原料の安全性評価に当たり、”動物実験廃止”というのは人間にとってはリスクです。
「動物実験代替法」は検討されているものの、対応期間が短かったこともあり、正直不完全な印象ですが、社会の流れは変わらずに進むでしょう。
先に述べた通り、最近の日本メーカーは大手を中心としてグローバル市場を見据えた商品開発が盛んです。
つまり、海外で売れない物は作らない流れです。
今後、ヴィーガンラインでなくてもヴィーガンの方々が使える化粧品は増えていくでしょう。
とはいえ、ヒト幹細胞培養液が流行しているように、ヴィーガンの方が避けたい成分はありますし、
それらを一般ユーザーが成分表から全て見極めるのは困難です。
ヴィーガン認証は、ヴィーガンライフスタイルの方々にとって安心して選択できる指標と言えそうです。
5.ヴィーガンライン発売の背景~BOTANISTの取り組み~
植物と共に生きるBOTANISTだからこその取り組みとして、先日発表された内容の一つに
【「SDGs」の目標を定めたブランドマニフェストの発表、容器のバイオマス化等に取り組む】
といったものがありました。
SDGsとは国連サミットで採択された持続可能な開発目標のことで、17の指針が定められています。
化粧品業界だけではなく、あらゆる商品・サービスの開発目標として切っても切れない概念です。
ご存じない方は是非一度調べてみてください。
BOTANISTが採択したのは
- ✔15.陸の豊かさを守ろう
-FSC印刷紙の採用
-「オラウータンの森 再生プロジェクト」への寄付活動 - ✔13.機構変動に具体的な対策を
-バイオマス容器の採用 - ✔12.つくる責任 つかう責任
-循環型ショッピングプラットフォーム「LOOP」にて専用リユース容器の採用
の3つ
環境に配慮したサスティナブルな社会を目指す取り組みの第一歩として発売したのが、ヴィーガンラインなのです。
6.BOTANIST ヴィーガンラインの感想
前置きが長すぎですが、気になる新製品・BOTANIST ヴィーガン モイストシリーズについて感想を述べていきます✨
廃棄時にCO2を削減できるというバイオマス容器。
シャンプーの蓋が脆い(4回使用くらいで壊れちゃった)ですが、デザインはシンプルでおしゃれです。
ヴィーガン認証マークもボトル下方に見つけられました^^
もう一つ、シャンプー・トリートメントで共通しているのが「髪に嬉しい10のフリー要素」
- ①動物由来原料フリー
- ②クルエルティフリー
- ③GMOフリー
- ④シリコンフリー(シャンプーのみ)
- ⑤パラベンフリー
- ⑥鉱物油フリー(ミネラルオイル、ワセリン、パラフィン未配合)
- ⑦合成着色料フリー
- ⑧ラウレス硫酸系洗浄成分フリー
- ⑨ジエタノールアミン(DEA)フリー
- ⑩ナノマテリアルフリー
①、②についてはヴィーガン訴求の内容ですね。
③のGMOとは遺伝子組み換え作物のこと。
こちらについては、一言で言ってしまうと遺伝子組み換え作物は安全なので気にしなくて大丈夫です。
ご興味のある方はこちらをご参照ください!▶【遺伝子組換え農作物の現状と遺伝子組換えカイコ研究の最前線】
④-⑩は、、、長くなるのでここでは書きませんが私はあまり気にしない内容です。
今度フリー特集でもしようかな(^^;)
いよいよ、製品の中身を見ていきましょう!
✔ヴィーガンシャンプー モイスト
〇内容:280mL
〇価格:2,400円(税別)
〇香り:麗らかさを彩るミモザ&フリージアの香り
〇全成分:
水、ココイルメチルタウリンNa、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、グリセリン、マルチトール、コカミドメチルMEA、サボンソウ葉エキス、デシルグルコシド、ココイル加水分解ダイズタンパクK、アサイヤシ果実エキス、ソメシヨシノ葉エキス、グリチルリチン酸2K、サトウカエデ樹液、セイヨウサンザシ果実エキス、ハイビスカス花エキス、ハス花エキス、ハマナ葉エキス、クレアチン、ゲットウ葉エキス、プルーン分解物、クインスシードエキス、キウイエキス、ビルベリー葉エキス、ホップ花エキス、ジステアリン酸PEG-150、グリセルグルコシド、PEG-30水添ヒマシ油、ジグリセリン、BG、ポリクオタニウム-10、リンゴ酸、EDTA-2Na、安息香酸Na、エタノール、フェノキシエタノール、香料
〇コメント:メインの洗浄系界面活性剤がココイルメチルタウリンNaと、刺激性が低くも洗浄力は中程度の成分。
グリチルリチン酸2Kのような抗炎症成分も入っており、地肌を優しく洗い上げる処方です。
✔ヴィーガントリートメント モイスト
〇内容:240g
〇価格:2,400円(税別)
〇香り:清らかさ彩るガーデニア&アイリスの香り
〇全成分:
水、セテアリルアルコール、グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ジメチコン、アミノエチルアミノプロピルジメチコン、アモジメチコン、加水分解ハトムギ種子、加水分解エンドウタンパク、加水分解ゴマタンパクPGプロピルメチルシランジオール、加水分解コメタンパク、トウキンセンカ花エキス、トマト果実エキス、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク、グレープフルーツ果実エキス、コーヒー種子エキス、ヒマワリ種子油、アルガニアスピノサ核油、メドウフォーム-δ-ラクトン、シア脂、カカオ脂、クランベアビシニカ種子油、ツバキ種子油、ダイズ油、グリチルリチン酸2K、ステアルトリモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、グリセリルグルコシド、BG、エチドロン酸、エチドロン酸4Na、トコフェロール、フェノキシエタノール、イソプロパノール、香料
〇コメント:
帯電防止系界面活性剤がベヘントリモニウムメトサルフェートで、頻用されるクロリド系より比較的低刺激な成分です。
種々ジメチコンで適度な重みと滑らかな指通りを付与しながらも、加水分解エンドウタンパクのような毛髪と親和性が良く補修機能のある成分や、メドウフォーム-δ-ラクトンのようなドライヤーの熱で毛髪表面を整えてくれるような成分も。
実際にこれらを使用してみて、泡立ちの良さや豊かな香り、使用後のまとまり感の持続などかなり満足しています❗️
シリコーンフリーはシャンプーのみですが、トリートメントに毛髪と親和性の高いシリコーンを数種類使い、広がりやすい私の髪には程よいコーティング持続効果を発揮してくれました^^
少し毛髪が固い印象がありますが、スタイリングはしやすくて全然OKです
他にも面白い成分はいくつかあったので、追記していこうと思います^^
7.最後に
「多様性」という言葉が頻繁に聞かれるようになって久しいですが、ジェンダーフリーやヴィーガンなどの概念はまだまだ拡大の途中。
「多様性のある時代に何が求められているのか?」
その答えの一つが「ヴィーガンという選択肢」なのだと感じました。
私自身は、動物由来の栄養の恩恵を受けたいですし(ビタミンB12は動物性食品に含まれる)
文献が無く詳しくお伝えできないのですが、グルテンフリーが身体に良いと思わないのでヴィーガンの選択はしないでしょう。
一方で、ヴィーガンの方々が提唱する動物愛護の考え方には賛成ですし、
SUNPEDALのお料理は本当に美味しくて、野菜のおいしさの可能性にも喜びを感じました。
その哲学ならではの美しさを垣間見ることもできました。多様な世界を覗いてみて、その綺麗さを感じるというずるい生き方です。
化粧品は、多様な需要に合わせてたくさんの商品があります。
自分の価値観を問いかけて、選んでみるのもいいのかもしれません。
私のように、マニアックに勉強して精査してみるのも楽しいです。
「多様性」をいち早くキャッチしているのは、化粧品なのかもしれませんね。