オールインワン市場2強の1つとも言われるDr.Ci:Labo (ドクターシーラボ) 。
”前人未到のリフトケア”とのキャッチコピーで2018年2月に発売されたアクアコラーゲンゲル エンリッチリフトEXはご使用になりましたか?
先日、日本化粧品検定協会主催のドクターシーシーラボ アクアコラーゲン エンリッチリフトEXセミナーに参加し、面白い情報を沢山ご紹介頂きましたので、内容をピックアップしてご紹介させて頂きます^^
また、私の独自理論もふんだんの内容となりましたので、是非ご自身のご意見と比較しながら読み進めてみてくださいませ!
Index
1.ドクターシーラボ 進化する魅力と変わらない魅力
1-1.変わらない魅力
ドクターシーラボといえば”オールインワンゲル”ですよね!
市場のオールインワンゲルは8割がジェルクリーム剤型かつ7割がジャー容器タイプ。※週刊粧業記事参照
「オールインワン化粧品=ジェル形状・ジャー容器」という認識を作ったのはオールインワンゲルのパイオニアであるドクターシーラボであるといっても過言ではありません。
なんでも前身は皮膚科で処方されていたクリームであるために薬壺のような容器形状なのだとか。
発売当初から変わらない外観は、誕生ストーリーにヒミツがあったのですね!
1-2.進化する魅力
ところで、オールインワンゲルというとベースメイク時にモロモロが出来るイメージがありませんか?
ゲルはゲル化剤という高分子が水をキャッチすることで網目状に広がり、流動性を失ったものです。
本来は粉末状の固体のため、摩擦などで水が奪われると水を少し含んだ固体(ゲルポロ)として析出してしまうのです。
ドクターシーラボはリニューアルを重ねる中で、処方の改良によってこの”ゲルポロ”を抑制!
いじわるして手の甲でゴシゴシ擦ってみたのですが、確かに一切モロモロが出ませんでした。笑
またベトつき感は一切無く、オイルゲルのような滑らかなテクスチャーもオールインワンゲルの進化を感じます✨
「オールインワンは手軽で良いけど物足りないしモロモロが出てしまう」というお悩みに見事答えたゲルとなっていました^^
2.ドクターシーラボ 天然ゲルによる保湿コンセプト
皮膚科医の知見から、体や肌細胞の生命活動には水分が必要不可欠。つまり『肌に必要なものは水分』なのだそう。
角層の水分量は20-30%と言われていますが、40才になると20%を下回ってしまうのだとか。
体内水分量も生まれたときには98%(ほぼ水!!)ですが70%まで低下。
「人体は70%が水」とは言いますが徐々に徐々に低下しているのですね。
※発表資料より抜粋
この年々減ってしまう肌の水分保持機能を”天然ゲル”によって補おうということがドクターシーラボの保湿コンセプトと言えそうです。
”天然ゲル”とはカルボマー、キサンタンガムなどの”天然由来のゲル化剤”を使用したゲルのことを指しているようです。
ちなみに、ゲルというのは
・高い粘性を持っていること
・流動性がないこと
・系全体としては系全体としては固体状になったもの
を指します。
このゲルが肌の三大保湿機能であるNMF, 細胞間脂質, 皮脂膜についてそれぞれ以下のような役割を果たすのだとか。
- ・NMF:NMFの40%を占めるアミノ酸の他、タンパク質、無機質、ビタミンなども含む
- ・細胞間脂質:天然ゲルの組成・浸透圧が細胞間脂質に近く、水分保持機能を助ける
- ・皮脂膜:ゲル膜を形成することで皮脂膜の代替となり、水分蒸発を抑制する
なるほど、まさに「肌の機能を助ける」スキンケアと言えそうですね。
3.アクアコラーゲン エンリッチリフトEXにおけるコラーゲンの役割
3-1.皮膚内のコラーゲンと化粧品のコラーゲン
商品名にも有る通り、ドクターシーラボの訴求成分はまさしく「コラーゲン」
一説には、Dr.Ci:Laboの”C”はコラーゲンの”C”とも言われているそうです。
ところで、「コラーゲン」はタンパク質の一種で、人間はもとより、動物の皮膚や骨、軟骨、腱などの結合組織の主成分です。
ヒト皮膚においては表皮真皮接合部基底膜や真皮に存在し、真皮の70%以上を占める成分でもあります。皮膚の弾力を司る重要な成分であることは有名ですね。
一口にコラーゲンといっても、その種類は多種多様!
コラーゲン研究の第一人者である京都大学 佐藤 健司 教授のレポートには下記のような説明があります。
Ⅰ型:太い繊維をつくる(軟骨以外の繊維)
Ⅱ型:軟骨の繊維の主成分
Ⅲ型:血管などの弾力のある組織に存在
Ⅴ型:細胞の周囲の微量コラーゲン
XI型:軟骨の微量成分
他の型は繊維を形成しないコラーゲンです。(形成する・しない全部で28型くらい存在)
食品として食べるのは、主にⅠ型、Ⅱ型(鶏軟骨など)になります。
ここで言う「コラーゲン」はもちろん水に溶けなければ油にも溶けません。
なので化粧品に配合されているいわゆる”コラーゲン”とは別の物です。
では化粧品に入っている「コラーゲン」は何かというと、繊維状のコラーゲンをほどいてほどいてほどいて小さくしたものです。
上図の一番上にある三重らせん構造を”生コラーゲン”
さらに解いて一本にしたものを“ゼラチン”
さらにぷちぷち切ってタンパク質より小さい”ペプチド”という状態にまでしたものを”コラーゲンペプチド(加水分解コラーゲン)”と言ったりします。
生コラーゲンはとても大きい分子なので角層表面に留まり保水力を発揮。
コラーゲンペプチドはある程度角層に浸透しますが、保水力がやや落ちてしまいます。
生コラーゲンと普通のコラーゲンの違いは、保水力。
変性すると分子量が30万→10万に減少するので、保水力が低下します。
生コラーゲンは、変性コラーゲン(ゼラチン)の約4倍、加水分解コラーゲンの約13倍の保水力です。ちなみに加水分解コラーゲンは、分子量の幅が広いので、一概にはいえません
— コラーゲン艶子 (@Anrimited0117) January 3, 2020
さらには三型コラーゲン(ベビーコラーゲン)にコハク酸という物質をくっつけて溶解性を高めたサクシニル化アテロコラーゲン(サクシノイルアテロコラーゲン)や
コラーゲンを架橋させて高分子化し、保水力を高めた3Dコラーゲン(水溶性コラーゲンクロスポリマー)などなど、機能性コラーゲンも多くバラエティはかなり豊か。
アクアコラーゲンゲルエンリッチリフトEXに入っているのは 5 Enlich Collagenと名付けた5種のコラーゲンです。
【5 Enrich Collagen】
・浸透発酵コラーゲン(※後ほど解説)
・金のハリ肌コラーゲン
(加水分解コラーゲンを含んだ金、白金、加水分解エラスチン、加水分解ヒアルロン酸、ナールスゲン、プラセンタエキスの複合材料)
・生コラーゲン (水溶性コラーゲン)
・3Dコラーゲン (水溶性コラーゲンクロスポリマー)
・ベビーコラーゲン (サクシノイルアテロコラーゲン)
当然、コラーゲン入りの化粧品を塗ったところで肌内のコラーゲンが増える訳ではありません。
化粧品において「コラーゲン」という言葉を見た時は、肌組織の一部として言っているのか、保湿成分として言っているのかを見極める必要があります。
逆に言えば、ドクターシーラボさんはたるみケアを別の成分でアプローチしているのですが、
コラーゲン訴求で肌内のコラーゲンを上手く連想させているのは見事だと思います!
これは悪いことではなくて、化粧品は期待を持って使うとそうでない時より効果が出やすいことがわかっています。
実際のたるみケア成分は後ほどご紹介しますね💡
アクアコラーゲンゲル エンリッチリフトEXは皮膚内と保湿成分の二つのコラーゲンに着目したアイテムと言えそうです。
3-2.加齢で進行するたるみの実態
別件でドクターシーラボさんの分析室(?)にお邪魔したことがあるのですが、とてもたくさんの肌測定器が並んでおり研究員さんを質問攻めにしたことを覚えています😂笑
流石大きな会社さんですよね!
そんなシーラボさんの研究で、タルミの進行について興味深いデータを見せて頂きました。
こちらは同一人物(女性)の顔の高さ分布を示したもの。36歳→40歳と、4年間での変化を表しています。
頬の最も高い部分が4.3mm下がっており、最大下がり量が12.9mmというタルミ状態を表しています。
顔全体が平面方向に間延びしていることがわかりますね💡
また、こちらは41歳→46歳と5年間でのフェイスラインの変化量。
体重の増減は書かれていないのでなんとも言えませんが、顔が肥大化していることは確かなようです。
また、こちらは顔の明度によって色分けした画像で、46歳→50歳の4年間の変化を見ています。
タルミによって明度が低い部分が4.3%増えた上に、左右のアンバランスさが観察できます。
噛み癖や骨格による影響も考えられますが、肌の老化は左右均等に起こるわけではないようです。
タルミの進行によって顔が平面化し、肥大化し、アンバランスになる可能性は、出来れば食い止めたいところですよね。
3-3.たるみケア成分3つのアプローチ
「たるみケアをコラーゲンとは別の成分でアプローチしている」と前述しましたが、私が考えるたるみケアのアプローチは3つあります。
①リフトアップ成分
ドクターシーラボが訴求するリフトアップ成分は5種あるのですが、最も有効性があると考えられる1成分だけご紹介します!
塗布時の即効性を与えるのは「クイックリフト」とも呼ばれるキサンタンガムクロスポリマーという成分。
実際はBG、炭酸水素Na、カプリリルグリコール、フェノキシエタノール、ヘキシレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース との複合成分です。
これらの成分が薄くて透明な皮膜を形成し、肌を視覚的に滑らかにしたりテンシング効果(弱く肌が張っている状態)を与えることによりハリ感を感じることが出来ます。
この効果は塗布後4時間以上持続するそうで、リフトアップの即時性・持続性に優れた効果を発揮します。
言ってしまえば”効いてる風”なのですが、”実際に効いてる感”が無いと他の成分が本当にハリ効果を発揮するまで使い続けて頂けないため、処方に工夫を凝らすのです。
その他、カラスムギ縠粒エキスであるオシリフトやコルクガシ樹皮エキスであるシュベルリフト、アーモンドエキスであるポリリフト、ジパルミトイルヒドロキシプロリンであるセピリフトが配合されていますが、おそらく全て配合量1%以下です。
全成分表で見ると(きらっきらのお箱で非常ーに見えづらいのですが泣)
化粧品の全成分表示は、基本的には配合量順ですが1%以下の成分は順不同になっているため、
青線のような価格的・役割的理由で1%入れないような成分を目印に、その他成分の配合量を判断します。
そうすると、金のハリ肌フィルムである赤線の成分は全て1%以下となる訳ですが、
この濃度で効果がありそうなのはキサンタンガムクロスポリマーとジパルミトイルヒドロキシプロリンであるセピリフトでした(かおり調べ)
オシリフトの有効濃度は恐らく4%です。シュベルリフトは上手く情報が探し出せませんでした泣
セピリフトの効果は薬機法上ここでは言えないので、ご興味のある方は「セピリフト」で検索してみてください^^
②抗酸化成分
コラーゲンを初めとした肌組織にダメージを与えるのは有名な”活性酸素”。
薬事法上、化粧品における”抗酸化”の対象は製品となってしまうのですが(製品の酸化を防ぐ目的)、
「抗酸化」のメカニズムは美容成分の替わりに自らが酸化されることにあるので、
肌の上でも活性酸素からの攻撃対象になりやすい成分であると推測できます。
当商品にも配合されているα-リポ酸やユビキノン、レスベラトロールは有名な成分ですが、
目玉成分でもある面白い成分が「浸透発酵コラーゲン」です。
こちらは、加水分解コラーゲンをコウジ菌と乳酸桿菌により発酵させることで得られた成分。
”発酵”とは簡単に言えば糖やタンパク質を菌類がむしゃむしゃ食べた(分解した)残骸なので、
今回のようにエサがタンパク質の場合、より小さな単位であるアミノ酸やペプチドが得られる可能性があります。
分子量が小さくなるので浸透性がUPしと塗布後の保湿力が増える他に、
なんと通常のコラーゲンにはなかった抗酸化力を持つようになったのだそう!
もともと抗酸化能のない非発酵コラーゲンと比較して”83倍”と比較するのはあまり意味の無い数字ですが、
リンゴに塗布した実験では確かに抗酸化能があることが視覚的にわかりました^^
優れた抗酸化成分はたくさんありますが、”コラーゲン”と名の付く成分(実際にはアミノ酸とはいえ)で抗酸化を語れるのは面白いなぁと非常に興味深く感じました!発酵ってすごい!
③コラーゲンリサイクル成分
こちらは直接的にコラーゲンにアプローチする成分「メリッサエキス」です!
薬事的にここでは書けない成分なので、メリッサエキス単体で簡単に紹介した記事があるのでこちらをご覧ください^^
▶化粧品における植物エキスの役割とは?新発想の美容成分も詳細に紹介!丸善製薬 化粧品原料セミナーレポート!
4.最後に
ドクターシーラボについて、アクアコラーゲンゲルエンリッチリフトEXについて、
着目点をピックアップ&個人の見解をふんだんにしてご紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。
全成分表をお見せしたとおり、成分がいっっっっっっっっっっっっぱいありすぎて正直全部は追い切れませんでした😂
シーラボさんの気合いの入った資料にも情報はたくさんあったのですが、有効性や製品コンセプトについて自信をもってご紹介できるのは以上の範囲でしたm(_ _)m
実際の使用感としては、塗布時はとてもみずみずしいのですが、さっぱりしすぎずどこか油感を感じ、塗布後は超サラサラという、超驚きのテクスチャーでした。
使用感もとっても良いし、お茶?のような緑っぽい香りも薬効を感じさせます。
とにかく作り込んだ製品だなぁという印象!
エイジングケアにも、保湿ケアにも期待できるオールインワンゲルだと思います^^
(おまけ)
アイキャッチ画像はコスメコンシェルジュの藍沢美香さん💕
InstagramとFacebookでいつも拝見していたので、お会いできて嬉しかったです💕