周りに、敏感肌だから、オーガニック化粧品を使っているという方はいませんか?
今日のお題は、勘違いされがちなオーガニック化粧品と敏感肌についてのお話です。
■多くの方が体験している植物由来によるアレルギー症状
話は変わりますが、私は重度の花粉症で、血液検査によるスギ花粉に対するアレルギーの数値はもう、すごいです。
なので対策は万全。
幸い、私の住まい近くにはスギ林が少ないので、今年は割と平和に生きていました。
が、
とある春先、両親が遊びに来てくれたので、大好きな秩父へご案内。
自然がたっぷり!野菜も美味しいし、空気は澄んでいるし・・・
もう大自然を満喫して帰って来た訳です。
ところが、
秩父にて大量の花粉を浴びてしまったせいか、その次の日から花粉症の症状がものすごいことに(;;)
アレルギー症状が肌にまで及んで、久々につっぱりを感じる始末です。
あれ、
大自然に恵まれ、
肌が荒れた・・・
花粉のせいですが、
花粉だって、植物由来ですよね。
そう、植物由来=肌に優しいは、理論的に合っていないのです。
同様に、化学合成品=肌に悪いも端的に結びつけることはできません。(後半で説明)
■そもそも「オーガニックコスメ」が曖昧
オーガニック化粧品は石油由来の成分を含まない、防腐剤不使用、原料植物の栽培時化学農薬不使用など様々なものがありますが、
日本ではオーガニックコスメの認定基準は統一しておらず、
有機農法によって栽培した植物を使えば石油由来の成分が入っていても「オーガニック化粧品」ということができます。
欧州では「エコサート」や「ビオコスメ」、「ネイトゥルー」のような厳格な規格がありますが、
それでも世界的に統一されていないことがわかります。
最近はこれらの規格の統一化が見直されているようですが、
それ以前に植物=優しいではないことは、先ほど花粉の例をあげた通りなのです。
■植物由来=安全ではない理由
植物は根を張り、自ら動くことができませんが、
虫や草食動物、人間も含め、動く外的と戦う必要があります。
ですから、農家の方々は農薬を使って植物を守る訳です。
このとき、農薬を使わないと植物はどうなるのでしょうか?
みすみす虫や鳥に食べられ続け、跡形もなくなることはありませんよね(笑)
もともと、自然界では誰も農薬を振りかけてくれません。
植物は病害虫などのストレスを受けると体内に天然農薬とも言われる生体防御物質を作り出すことで、外的から身を守ります。
この場合、無農薬の植物よりも、含有毒物が多くなるのです。
これらの植物からの抽出物が、敏感肌に適しているのか・・・
疑問が湧いてきますね。
また、精油に代表されるような植物由来の原料はその刺激性のリスクから、
殆どの化粧品では1%以下程度しか配合されていません。
日本アロマ環境協会ではトリートメントオイルの精油希釈濃度を1%以下、
顔などの敏感な部分ではさらにい低い濃度での希釈を推奨しています。
・オーガニック化粧品の定義が曖昧である
・植物由来が肌に優しい訳ではない
これらの理由から、肌のバリア機能が弱っている敏感肌の方は、オーガニック化粧品の使用に注意が必要です。
思い出してみてください。
オーガニック化粧品を使用して敏感症状が軽減したことはありますか?
■「敏感肌」という方の殆どは敏感肌ではない。
ところで、「自分は敏感肌だ」と感じる方の殆どは「自称敏感肌」と言われ、
アレルギー皮膚炎やアトピー性皮膚炎など体質による敏感肌の方は、
自称敏感肌の方の1割程度と言われています。
この背景には敏感肌=デリケートで繊細な肌という消費者の誤ったイメージと、
そのイメージをバックアップして敏感肌用の化粧品をPRするメーカーが作り出した敏感肌ワールドがあります。
過度なスキンケアや過度な洗浄、
生理周期によるホルモンバランスの乱れや時には紫外線、摩擦などの外部刺激などなどによって、
肌のバリア機能が乱れ、刺激物質に過敏になることがあります。
もし肌がピリピリしたりと敏感症状を感じたら、
ワセリンやミネラルオイルなどの吸水性と皮膚への浸透性が少ない低刺激性オイルを塗るだけにしましょう。
刺激を与えず、肌の自己治癒力の回復を待つことが大切です。
ちなみに、ワセリン・ミネラルオイルは石油由来ですが、
ワセリンは医療用の皮膚保護剤として使用され、ミネラルオイルは赤ちゃんにも使えるベビーオイルの成分です。
敏感症状の時には石油由来に頼ることも大切です。
お肌のバリア機能が回復したら、好きなコスメを使ってあげてください。
一般的なイメージと実態は異なることが多々あります。
肌に優しそうなパッケージに惑わされず、ご自身のお肌に合わせて化粧品を選んであげてくださいね♪