ー不適切な表現があったため、一部訂正致しましたー
大変話題を呼んでいるオーガニック化粧品ブランドとして代表的なジョンマスターオーガニックが
全成分表示に全く異なる成分が記載されていた事件が発覚しました。
化粧品の全成分表示は法律により義務付けられているところですので、
配合成分と表示に差異があればリコールになるのは当然ですが、
今回の件の場合、「間違っちゃったてへ」レベルではなく、
消費者の期待を大いに裏切るような記載になっていたことが、大きく問題となっています。
ジョンマスターオーガニック製品を買いたい方って、
「オーガニックが好き」という理由や、
「100%植物由来」とか、
「ノンシリコン」とか、そういったところに価値を見出して
一般の製品と比較して高額なジョンマス製品を買っていた訳ですよね。
そのこだわりが本当に良いか悪いかは置いておいて、
石油由来の界面活性剤を使っていたり(←これが悪いという意味ではないですよ!)
シリコーン油をしっかり入れていたり…
現実を知りながら売っていた方は相当心が痛かったんじゃないかなと思います(^^;
ジョンマス騒動については多くの方が記事をまとめているし、
(私の尊敬するかずのすけさんの記事がわかりやすいです。)
私は「人の心は読めない」と思っているので、経営体制がどうとか、
悪意があるとないとか突っ込むつもりはありません。(信頼は完全に失っていますが)
本日は、こういった騒動を受けて、
消費者である私たちはどのように化粧品と付き合っていけば良いか?
ということについて意見を述べたいと思います。
私がこのようにブログをしたためている理由は、
美容の正しい知識をお伝えし、ご自身に本当に合った美容法を選択・判断して頂けるようになって頂きたいという想いからです。
そのためには、様々な美容法の理屈がわかっていなければいけません。
ですから、皮膚科学、毛髪科学などの効果の対象と、
化粧品の成分等の効果を発揮するそのもの(成分)、
あるいはそれらを判断する評価方法についての理解が必要です。
私のセミナーでは特に、化粧品成分と成分表の読み方については詳しくお伝えしています。
多くの化粧品の中から選び出すための大切な指標になるからです。
化粧品は、その殆どが水性成分・油性成分・界面活性剤の混合物です。
お肌にお水を与えるための水性成分、
お肌にお水をキープするの油性成分、
乳化をしたり、浸透を助けたり、洗浄するための界面活性剤。
深く考えずに、これらの主役が揃った化粧品を使用するだけで、スキンケアはできます。
ところが、化粧品はそれだけでは売れません。
使い心地・使いやすさ、香りや色味、ブランドストーリー、こだわりの成分、外観等等….
多くの化粧品たちが、自分の化粧品の魅力をアピールし、選ばれていくのです。
今回の騒動では、ブランドやこだわりに魅力を感じていた方々が、裏切られる結果となってしまいました。
きっと多かれ少なかれ、同様の不正をしているメーカーさんがいる可能性が示唆されたのだと思います。(※記事公開時の記載について。文章末に訂正有)
もし、どこかで微量成分を誤魔化されたとしても、私たちは気づくことができないでしょう。
違和感を覚えたところで、材料の特定はできません。
そこで、大切なのは使用感です。
上記のように、化粧品が選ばれるファクターは効果以外にたくさんあります。
理由は、化粧品は極端な効果があってはいけない嗜好品だからです。
中には、使用感を演出する製品もあるかもしれません。
(ピーリングジェルが角質がごっそりとれたように見える製品など)
ただ、知識先行の化粧品選びだけでは、製品の本当の良さに気づくことができないのだと、考えさせられました。
化粧品の本当の効能を実感するには、
まず成分を見て、ある程度の効果や使用感を予測し、
試験的に1−2ヶ月間継続使用は必要です(その際、その他の化粧品はできるだけ変えない)。
とはいえ、成分を、時にはやブランドを、盲信して使い続けるのは
化粧品目利きの感覚を鈍らせてしまうかもしれません。
基本的に、全成分表示の内容は信じていいですし、そうあるべきです。
しかし、何より心を満たす嗜好品である化粧品。
気持ち良く、穏やかな効果を楽しむ。いう基本を忘れてはいけないのだと、考えさせれました。
違和感を感じたら、
成分的には良好だったとしても、心地よさに欠けますから、
使用を中止することも必要なのかもしれません。
お肌や毛髪との会話を大切に。
※内容の訂正について。
この度、「全成分表示をまず疑わなければならないのか」という残念な気持ちから本記事作成に至りましたが、
化粧品全成分表示の管理について、普通はかなり目を光らせている項目だという情報を頂戴致しました。
上記の通り全成分は法定表示のため、誤りがあれば可愛いミスであったとしてもNG。
こういったミスによる製品の回収はメーカーにとって大変なリスクであることは想像できます。
闇雲に不安にならなくて大丈夫です。
化粧品は 「医薬品医療機器等法」で全成分表示を行うと定められており、『成分の名称は、日本化粧品工業連合会作成の「化粧品の成分表示名称リスト」等を使用することにより、消費者における混乱を防ぐよう留意すること』と、厚生労働省から通知が発出されています。(日本化粧品工業連合会HPより抜粋)