お風呂の正しい入り方を知っていますか?
「入浴」の正しい入り方、健康・美容効果、そして歴史などをまとめ啓発している『日本入浴協会』が、発足3年目を迎え、
日本入浴協会理事である医学博士 早坂信哉教授が執筆された「最高の入浴法」が大和書房より刊行されました!
ロイヤルガーデンカフェ渋谷にて開催された出版記念パーティに参加させて頂きましたよ^^♪
サインも頂きました♪
参加者は入浴関連の方々!なかなか無い集まりですよね✨
私も入浴指導士認定カリキュラムの講師を務めているため、早坂先生の研究を学ばなけれと常々思っており…
入浴について深く学ぶことが出来る書籍をとっても楽しみにしておりました^^!
入浴指導士第一期生の方々にもお会いすることができましたよ♪
パーティは、早坂先生による入浴ミニ講座から始まり、
我らが日本化粧品検定協会副理事の野嶋朗氏や
日本入浴協会 理事の古谷暢基先生のご講演もあり、とても楽しいパーティでした^^♪
早坂先生は、「お風呂は健康になんとなく良さそう」というぼんやりとしていた時に、
「入浴事故を防ぎたい」という想いから初めての入浴に関する大規模調査を実施された方です。
『最高の入浴法』は、早坂先生のこれまでの研究や最新の成果が詰まった入浴バイブルの集大成!
今日は、お風呂が大好きな皆様のために、プチ講義の内容をシェアさせて頂きたいと思います♪
1.これまでの入浴研究の潮流
早坂先生が研究に着手されるまで、お風呂に関する研究というのは実験室ベースで、
10-20名の被験者の一時的な血圧を測ったり、採血するなど研究が主流でした。
お風呂が本当に身体にいいのか?についてデータでの実証はされていなかったそうです。
2000年に初めて入浴に関する大規模調査を実施!
全国の社会福祉協議会に入浴サービスにおける事故について調査を行ったところ、10万回のサービスのうち、3-4回の頻度で入浴事故が発生。
主に意識障害や呼吸困難の症状が挙がってきたそうです。
2012年、入浴における健康効果について調査したところ、お風呂に入ることと幸福度、健康度に関連性が数値として見出すことができ、
「浴槽入浴が健康にいい」ということが初めて研究として実証されました。
その間の研究で、お茶を飲んでから入浴をすると、ただ座っていた時と比較してカテキンの吸収量が7倍になるなどの結果も出たそうです✨
これを受けて、後楽園にある大規模入浴施設LaQua (ラクーア)では、春になると「お茶と温泉」というコラボキャンペーンをしているそうですよ♪
2.お風呂に安全に入れる血圧が明らかに!
入浴事故の最大の要因は、血圧の急激な変化によるもの。
寒い脱衣所から急に熱いお湯へ入ったり、
水圧を受けている状態から急に立ち上がったりすると、
血管の急な収縮・拡張がダメージとなって、ヒートショック現象を引き起こす懸念があります。
経験的に、血圧の高い方が事故を起こしやすい傾向があることがわかっていたものの、
お風呂に安全に入ることができる血圧の範囲というのは明らかにされていませんでした。
高齢者のうち、安全に入浴をすることができた1500名と体調不良を起こした600名を被験者として調査したところ、
上の収縮器血圧が160、または下の拡張器血圧が100を超えると、どうやら事故になるリスクが増えることがわかったそうです。
血圧の高い方でも、幸せな気分にしてくれる入浴を切望する方は多いでしょう。
この研究成果は、入浴前に血圧を測定することによって入浴事故の予防線を張り、入浴事故の減少に大きく貢献したことでしょう。
人を救う研究って、本当にすごいです。
3.毎日の入浴は要介護率を減少させる?
日本は世界に先駆けて超高齢化社会へ突入します。
厚労省が発表した「平成29年簡易生命表」において、日本人の平均寿命は
男性は81.09歳で世界3位、女性は87.26歳で世界2位と、世界トップクラスの長寿命国です。
最近は「健康寿命」というワードをよく目にしますが、長寿は長寿でも、運動による身体機能向上など、
高齢者の方で健康年齢を気にされる方も多いようです。
千葉大学との共同研究(JAGES研究)では、全国約18箇所自治体で18,000人を対象に3年間追跡したところ、
毎日入浴する方は、週に2回しか入らない方と比較して要介護状態になる方が29%も少ないことがわかったそうです。
この結果は夏場、冬場両シーズンで同じ結果が出ており、夏場といえど入浴による温熱効果は大きいと言えそうです。
4.温泉は介護状態を維持 or 改善させる!
入浴が要介護率を減少させるのであれば、温泉に入るともっと身体に良いことが起こるのでしょうか?
温泉観光地として名高い熱海では、自宅に温泉をひいている家庭も多いそう。
熱海市・熱海医師会との共同研究によると、熱海市の特定検診データ、介護保険データから
自宅に温泉を引いていると血圧を下げる降圧剤の服用率が低く(-6%)、
介護状態が悪くなりにくい(1.31倍 維持 or 改善)ことがわかったそうです。
また、週1回以上温泉を利用している方は、悪玉コレステロールが低く、善玉コレステロールが高いなど、
入浴のみならず温泉による効能も結果として明らかになりつつあるそうですよ!
5.入浴とIoTの取り組み
”IoT”とう言葉を聞いたことがありますか?
Internet of Thingsの略称で、近年はモノとインターネットを繋いでビックデータを収集する動きが盛んになっています。
入浴研究も例外ではなく、博報堂との共同開発した「fuuron」により、市民参加型でビックデータを収集するシティズンサイエンスの取り組みがなされているとのこと。
開発側は一般の入浴に関するビッグデータを収集することができ、
購入者は一緒にお風呂に入れるだけで、最適な入浴温度・時間をナビゲートしてくれるのです。
この研究によって、高齢者だけでなく様々な年齢における入浴効果が明らかになっていくことでしょう✨
まとめ
早坂先生の研究によって、入浴が健康に効果的な根拠が明確になり、
また「なんとなく良さそう」ではなく「正しい入浴法」が明言できるような研究結果が次々と出てきています。
「綺麗になりたい」は、「健康になりたい」と近しい言葉です。
正しい入浴法の普及は、健康寿命を延ばし、活気のある社会に貢献すること、間違いないでしょう。
〇お知らせ
第三回入浴指導士認定カリキュラムが開催されます。
入浴検定取得者であれば誰でも参加が可能です。入浴の各パートについてもっと深く学びませんか?
私も「入浴とスキンケア」パートで講師を務めさせて頂きます。
詳細は入浴協会HPまで。
●日時:2019年4月27日(土)、28日(日) 講座
5月26日(日)試験
●場所:日本入浴協会 セミナールーム
(東京都中央区銀座4丁目11-7第2上原ビル4階)
●受講料金:76,000円 (税別)
テキスト・認定料・試験料込み
(日本入浴協会の会員でない方は、他に入会金10,000円が別途必要)
※初年度の年会費(6,000円/税別)は入会月によって月割とさせて頂いております。(口座引落し)
●条件:入浴検定 取得者