「コラーゲンペプチド」や「コラーゲンサプリ」はよくドラッグストアや広告などで見るけれど、
安いものではないし、実際に効果が期待できるのか、またどんな商品を選べば良いのか、迷ってしまいますよね。
今日は、
- コラーゲンペプチドって何?
- コラーゲンサプリは飲むと効果があるの?
- コラーゲンは何のために飲むべき?
- おすすめの飲み方は?
などなど、今さら聞けないコラーゲンの疑問について解説させて頂きます!
Index
1.今さら聞けない「コラーゲン」の基礎知識
1-1.そもそも、「コラーゲン」って何?
コラーゲンは繊維状のタンパク質。
現在、人体からは28種類のコラーゲンがあると言われており、組織部位によって存在するコラーゲンの種類が異なります。
コラーゲンの40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在すると言われており、
その他、靭帯や血管、内蔵、歯茎など、コラーゲンは全身に存在する大切なタンパク質なのです。
また、人間の体重の約20%をタンパク質が占めており、そのタンパク質の約30%がコラーゲンと言われています。
実に、体重の約6%がコラーゲンなのです!(50kgの人であれば約3kg)
約60%が水分と言われていますから、人体の中でかなり大きな割合を占めていることがわかりますね!
1-2.「コラーゲン」と「コラーゲンペプチド」の違いって?
よく「コラーゲンペプチド」という言葉を耳にしますが、そもそも「ペプチド」とは何でしょうか?
ペプチドを理解するためには、まずタンパク質のことを知る必要があります。
タンパク質は、アミノ酸が大量に結合した巨大な分子(ポリマー)の総称です。
山手線のような、長い電車を思い出してみてください。
これをタンパク質だとすると、一両、一両がアミノ酸です。
そして、地方でよく見る2,3両の電車がペプチド。
つまり、ペプチドとはアミノ酸が凡そ2~50個繋がったものです。
タンパク質とは、アミノ酸がそれ以上に繋がったものを指します。
タンパク質は、一両一両の電車にあたるアミノ酸が、どのような種類かで性質が変わってきます。
コラーゲンは、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニンなどのアミノ酸から成るタンパク質。
コラーゲンペプチドとは、同様のアミノ酸が2~50個繋がったものを言います。
2.体内のコラーゲンを守る方法5選
身体のコラーゲン量は、年齢を重ねるの毎に減っていくのは有名な話。
加齢や紫外線ダメージなどによって、コラーゲン産生量が減り、コラーゲン分解酵素が活性化してしまうのです。
この減少を少しでも遅らせるためには、コラーゲン産生量を増やし、コラーゲン分解酵素を抑制することが重要です。
- ストレスを溜めない
- 抗酸化物質を食べる
- 紫外線対策
- 適度な運動をする
- コラーゲンを食べる
2-1.ストレスを溜めない
紫外線や摩擦、大気汚染などによる外的刺激や、環境の変化や寝不足、人間関係などの内的要因によってストレスが発生すると、「活性酸素」という攻撃性の高い物質を産生してしまいます。
活性酸素は酸素をエネルギーに変える過程でどうしても発生してしまうもので、免疫の一部として働くよい側面もあります。
また、過剰な活性酸素はSODなどの抗酸化酵素や、食事から摂るポリフェノールやカロテノイドなどが除去する役割をしてくれます。
しかし、ストレスがかかりすぎると活性酸素が除去しきれず、細胞にダメージを与えることに。
その結果、コラーゲン産生量の低下やコラーゲン分解酵素の活性化が起こってしまうのです。
ストレスは美容・健康の大敵です!
2-2.抗酸化物質を食べる
活性酸素に抗うためには、体内に抗酸化物質を入れておく必要があります。
代表的なポリフェノールやカロテノイドを下記に示します。是非、食卓やサプリメントに加えてみてください!(1)
- ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン
- 大豆に含まれるイソフラボン
- ゴマの成分が変化してできるセサミノール
- そばに含まれるルチン
- 緑茶に含まれるカテキン
- 紅茶・ウーロン茶などに含まれるタンニン
- コーヒーに含まれるクロロゲン酸
- etc…
- 緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれるβ-カロテンやリコピン
- えびやかになど甲殻類や、さけ・ますなど魚類がもつアスタキサンチン
- etc…
2-3.紫外線対策
紫外線の一種であるUV-Aは、肌の奥深くにまで届いてハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す繊維芽細胞にダメージを与えます。
コラーゲンの約40%が存在する皮膚では、紫外線による影響を受けやすいのです
2-4.適度に運動をする
意外かもしれませんが、運動はコラーゲンを守るために重要です。
ストレスが適度に発散される他、血流が促進され酸素や栄養素を細胞の隅々まで届けやすくなります。
さらに皮下脂肪が増加すると、脂肪細胞が肥大化し、パルミチン酸という脂肪酸を放出した結果、コラーゲンやエラスチンの遺伝子発現を抑制すると同時にコラーゲン分解酵素の発現が促進することが知られています。
逆に、小型の脂肪細胞は「アデポネクチン」という情報伝達物質を分泌し、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促すと言われています。(2)
痩せすぎもよくありませんが、適度に脂肪を落とすことも、コラーゲンを守ることに繋がるのです。
2-5.コラーゲンを食べる
実は、コラーゲンを食べることもコラーゲンを守ることに繋がります。
これについての詳細は事項で説明します!
2.「コラーゲンペプチド」サプリの基礎知識
2-1.コラーゲンよりも、コラーゲンペプチドを摂った方がいいの?
コラーゲンペプチドを経口摂取すると、約70%がアミノ酸にまで分解され、
約30%はアミノ酸が2,3個繋がったジペプチドやトリペプチドとして存在することがわかっています。
どちらにせよアミノ酸やジペプチドになるのだから、なぜ多くのサプリメントはコラーゲンでなく、コラーゲンペプチドで販売されているのでしょうか?
その理由は「吸収効率」と「溶けやすさ」があると考えています。
「吸収効率」について
巨大分子であるタンパク質よりも、ある程度小さく切ったペプチドの方が吸収効率が良いと考えられています。
しかし私はこれについての文献を見たことがありません💦一般的にはそう言われています。
「溶けやすさ」について
サプリメントとしてコラーゲンを提供する時、粒状かドリンク、粉末で売られていることが殆どです。
サプリメントとして飲みやすくするためには、溶けやすさが重要。
コラーゲンは繊維状の丈夫な巨大タンパク質ですから、そのままではとても日常的に飲めたものではありません💦
分子量の小さいペプチドにすることによって、美味しく飲むことができるのです。
2-2.コラーゲンペプチドのサプリは摂った方がいいの?コラーゲンペプチドのメカニズム
私は出来るだけコラーゲンペプチドのサプリを摂るようにしています🌟
理由は、肌のコラーゲンを守ることに繋がるから!
以前は、「コラーゲンを食べても意味がない」という考え方が主流でした。
- コラーゲンは食べてもアミノ酸にまでバラバラに分解される。
- アミノ酸はコラーゲンを作る原料になるかもしれないが、コラーゲン以外の様々なタンパク質にも使われる
- コラーゲンを飲んでコラーゲンが増えることはない
- お肉や魚、豆、卵などからタンパク質を摂った方が経済的!
しかし、コラーゲンサプリを販売する多くのメーカーさんは、メカニズムこそわからないものの、試験的には確かに肌状態がよくなることを確認しており、研究や商品開発をずっと続けていたと言います。
そして近年では、コラーゲンペプチドの摂取によって、結果的にコラーゲンが増える説が濃厚になっています!
きっかけはは京都大学の佐藤健司先生のご研究。
コラーゲン摂取後の血中成分を調べたところ、コラーゲンペプチドに特徴的に含まれるヒドロキシプロリンを含む、ジペプチドであるプロリルヒドロキシプロリンの存在が確認されました。
・コラーゲンの全てが、アミノ酸にまで分解される訳ではないということ
・血中に存在するということは全身を巡っているということ
がわかったのです!
その後、
・ジペプチドであるプロリルヒドロキシプロリンが、細胞試験で線維芽細胞を増殖させること(3)
・経口摂取したコラーゲンペプチドが皮膚に届くこと(4)
・血液中に吸収移行したコラーゲン由来のアミノ酸に対して、20~30%は、2~3個のアミノ酸が連なったペプチドの形で長時間存在していること(5)
・ペプチドが細胞に作用して、コラーゲン生成命令を促すこと(5)
などがわかってきました。
コラーゲンペプチド摂取の有用性は、年々研究結果が報告されており、その信憑性も高まっています。
2-3.コラーゲンの目安摂取量とコラーゲンを含む食品
いくつかのヒト試験では、コラーゲンは1日5~10gを目安に摂ると皮膚角質の水分量の増加や脆い爪の改善,肌状態の改善,関節痛緩和などの効果が見られると報告されています。
一方で、20代から50代女性の1日あたりのコラーゲン摂取量は平均 1.9 gと、かなり少ない状況です。
食品としては牛すじや鶏の手羽元、豚足、うなぎの蒲焼きや魚の皮などに多く含まれますが、毎日これらの食品を摂ることは容易ではありません💦
その他、コラーゲンが豊富な食材はいくつかあります。
コラーゲンは24時間で消化されてしまうため毎日継続して摂取する必要がありますが、多忙な現代で毎日これらを調理するのはかなりハードです💦
やはり、私はサプリメントを活用する方法をおすすめします!
2-4.コラーゲンの効果的な摂り方
コラーゲンの摂取タイミングは、いつが良いのでしょうか?
コラーゲンペプチド接種後の血中ペプチド量は、1~2時間後にピークとなり、4時間後まで半分程度の濃度を保っているという試験報告があります(6)。
肌を含む身体の修復が活発になるのは、就寝中の成長ホルモン分泌時。
特に、入眠後90分間が最も大切な時間です。この時に、修復の材料であるアミノ酸や美肌スイッチを入れるペプチドが存在すると、効率よくコラーゲンを使うことが出来ると考えられます。
そのため、睡眠の1~2時間前の摂取が最もおすすめの摂取タイミングですが、
毎日、継続して摂取することを考えると「夕飯の後」や「運動後のプロテインと一緒に」など、自分で習慣づけられる方法を選択するのがお勧めです。
また、
コラーゲンの合成には酵素としてビタミンCが必要なので、別のサプリで摂るか、ビタミンC入りのものがおすすめです😉
コラーゲン習慣に迷われている方は、これを機に是非始めてみてくださいね✨
参考文献
1) 「抗酸化物質」(厚生労働省 e-ヘルスネット)<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html>(2021/9/3にアクセス)
(2)江連智暢(2017),『顔の老化のメカニズム たるみとシワの仕組みを解明する』pp.105-108,日刊工業新聞社
(3)「【連載】体の内側から美しく、健康に ~コラーゲンを摂るという考え方~」(自費研online)<https://jihiken.jp/cure/post-19719/>(2021/9/3にアクセス)
(4)「経口摂取のコラーゲンペプチドが皮膚に届くことを確認」(ファンケル)<https://www.fancl.jp/news/pdf/20170711_collagenpeptide.pdf>(2021/9/3にアクセス)
(5)野口知里 他「20代から50代日本人女性における食事由来コラーゲン推定摂取量の特徴」
<https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/70/2/70_2_120/_pdf>(2021/9/4にアクセス)
(6)コラーゲンナビ「「コラーゲンペプチド」のメカニズム」<https://www.collagen-net.com/2020/10/blog-post_92.html>(2021/9/4にアクセス)