ダイエットは、体重ではなく体脂肪率に着目することがとても大切です。
体重やBMIから目標体重を設定してしまうと、知らないうちに絶対に達成できない目標を作ってしまっていることがあるからです😨
無理なダイエットはリバウンドの元。
今日は、ダイエットを始めるにあたっての正しい目標体重の設定方法をお伝えしようと思います。
Index
1.正しい目標体重の決め方は”体脂肪率”からの逆算
リバウンドしない目標体重の設定方法は、体脂肪率からの逆算です。
何故ならリバウンドしないための正しいダイエットとは、筋肉を落とさずに体脂肪だけを落とすことだからです。
ところで、皆さんはこんな失敗をしたことはありませんか?
- ✖︎食事の量を極端に減らした結果、体型が崩れてしまった。
- ✖︎減量に成功したものの、維持が難しい。
- ✖︎リバウンドしたら、元に戻らなくなってしまった。
などなど。
これらの原因としては”体重に着目したダイエット”をしてしまったからかもしれません。
ご存知の通り、筋肉は活動代謝を高め、スタイルアップに関わるダイエットにおいては超重要な相棒です。
運動をせずに極端に糖質摂取量を減らしてしまうと、脂肪から分解されるグリセロール、筋肉を構成しているアミノ酸などを材料に、糖をつくり出してエネルギーを取り出す「糖新生」という回路に入ってしまいます。
筋肉が分解される訳ですから、単純にスタイルが悪くなります。
その上、同じ食事量に戻った時に消費できるエネルギー量が少なくなっているので、リバウンドに繋がりやすいのです。
そのため、「〇kg痩せて綺麗になるぞ!」ではなく「体脂肪率を〇%減らして綺麗になるぞ!」が正解なのです。
まずは一緒に計算してみましょう!
2.目標体重の設定方法を解説
2-1.用意するもの
- ・紙、ペン
- ・体脂肪率が測定できる体重計
- ・電卓
さぁ、さっそく始めましょう。
まずは、A,B,C…Jと縦に書いて、準備をしてください。
以下の手順に従って、該当の内容をどんどん書き込んでいきましょう!
2-2.目標体重の計算方法
1.全体重(A)と体脂肪率(B)を測る。
例)A:全体重 60kg
B:体脂肪率 25%
ここはただ測るだけです!
2.目標体脂肪率(C)を決める。
例)C:目標体脂肪率 20%
なりたい体系に合わせて、目標体脂肪率を決めていきます。
標準体脂肪率は17.5~25.0%
この範囲に収まるようにします。
女性の場合は必ず20%以上で設定してください!
女性らしい丸みのある体型を作ったり、肌を綺麗にしたりなど美人ホルモンとして有名なエストロゲンは、
体脂肪率20%を切ると分泌量が減少してしまいます。
(ちなみに私は17.5%で生理不順になりました(;;))
体脂肪率20%〜22%だと、腹筋がうっすら割れた細マッチョになります!(私もなりました笑)
女性のプロダンサーは体脂肪率が20%台前半なのだそうです。
体脂肪率25%程度では、丸みのある健康的な女性らしさを感じられる体型になります。
男女問わずに好まれる体型です。
3.体脂肪量(D)を計算
体脂肪量(D) = 体重(A) × 体脂肪率(B) ÷100
例)D:体脂肪量 60×25 ÷ 100=15 kg
体脂肪量とは、体脂肪の重さです。
全体重と体脂肪率の掛け算で計算できます。
4.除脂肪量(E)を計算
除脂肪量(E) = 全体重(A) – 体脂肪量(C)
例)E:除脂肪量 60-15 =45 kg
徐脂肪量とは、体脂肪量以外の、骨や筋肉、水分、内臓などを含めた重さです。
全体重から体脂肪量を引くと計算できます。
5.目標除脂肪率(F)を計算
目標除脂肪率(F) = 100 – 目標体脂肪率(E)
例)F:目標除脂肪率 100 – 20 = 80%
聞きなれない言葉ですが、目標除脂肪率は目標体脂肪率を決めると勝手に決まる数値です。
体脂肪量と徐脂肪量を足すと全体重になるように、
体脂肪率と徐脂肪率を足すと100%になります。
6.目標体重(G)を計算
目標体重(G) = 徐脂肪量(E) ÷ 目標除脂肪率(F) × 100
例)G:目標体重 45 ÷ 80 × 100 = 56.2kg
ここで初めて目標体重が決まります!
逆算なので複雑に感じてしまうと思いますが、理屈は以下の通りです。
目標除脂肪量 は、 目標体重 × 目標除脂肪率で計算できますね。
ところで、筋肉は落とさず、脂肪のみを減らす正しいダイエットを行った場合、ダイエットの前後で徐脂肪量は変化しません。
そのため、
除脂肪量= 目標除脂肪量 = 目標体重 × 目標除脂肪率
という式が成り立ちます。
これを目標体重=の形に整理すると、上の式になる訳です。
少し難しいですが、実際に計算してみるとわかりやすいですよ(^^)/
7.目標減量(H)を計算
目標減量(H) = 全体重(A) – 目標体重(G)
例)G:目標減量 60 – 56.2 = 3.8kg
お疲れ様でした!
やっと、目標減量が決まりました👏
例の場合、「3.8kg痩せて綺麗になるぞ!」が正しい目標になります。
8.ダイエットに必要な期間を計算
1ヶ月減量目安(I) = 全体重(A) × 5%
ダイエット必要期間(J) = 目標減量(H) / 1ヶ月減量目安(I)
例)I:1ヶ月減量目安 60 × 5 ÷100 = 3kg
J:ダイエット必要期間 3.8 / 3 = 1.26 = 1か月と 1週間
リバウンドせずに減量をするためには、過激なダイエットは禁物。
1ヶ月で減らして良い体重は全体重の5%以下であることを守ってください。
例の場合、3.8kg減量するために、1か月と1週間以上は必要。
リバウンドしにくい期間を十分に使って、集中的に取り組みましょう!
3.目標体重の設定にBMIを使わない方が良い理由
目標体重を設定する時に、よく使いがちなのがBMIです。
BMIありきで目標体重を決めてしまうと、筋肉量を落さなくてはいけないような目標を知らないうちに立ててしまうことになり得ます。
BMI (BodyMass Index)は、身長の二乗に対する体重の比で体格を表す指数です。
〇BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例えば、上記の例の人が160cmだったとすると、
K:現BMI 60÷1.6÷1.6=23.4
BMIの標準値は18.5~25のため、標準範囲内の最小値18.5を目標に設定したとします。
目標体重は、BMI算出の式から逆算すればOKです。
G’:目標体重 18.5 × 1.6 × 1.6 = 47.4 kg
除脂肪量(E) 45kgを落とさずにダイエットを行おうとすると、
F’:目標除脂肪率 45÷ 47.4 ×100 = 95%
C’:目標体脂肪率 100 – 95= 5%
体脂肪率5%は、男性アスリートレベルの数値です笑
殆ど100%達成し得ない目標を立てれば、挫折してしまうのは当然。
この事実に気づかないと、目標達成できない自分にストレスが溜まります。やけ食いしてしまってもおかしくありませんよね。
また、47.4kgで体脂肪率20%を目指そうとすると、除脂肪量を37.9kgにしなければならなくなります。
つまり筋肉を7kgも落としながら、体脂肪も削らなくてはいけないという、非常に複雑で難しいダイエットになってしまいます。
BMIで体重を決めるのは大変危険なのです。
4.BMIの正しい扱い方
そもそも、 BMIの単位は [kg/m^2]と、立体である人間に対して平面を表す単位になっており、意味的に少しおかしいですよね。
実は、BMIはただの指数なので、その数値に厳密な意味を持っていません。
BMIごとに有病者数の統計をとった時、男女ともBMIが22の時に高血圧、高脂血症、肝障害、耐糖能障害等の生活習慣病の有病率が最も低くなるということが報告されています。
そのため、BMI 22付近である18.5~25が「普通体重」として推奨されているのです。
しかし、BMIは国籍が変われば標準値が変わりますし、筋肉量や水分等、体格差・体質差を加味していません。
そのため、上記例のようなことが起こってしまうのです。
BMIは体脂肪率から目標体重を算出した後に、健康的な体重であるかチェックするために使用しましょう。
5.最後に
少し複雑で難しいところもあったかもしれませんが、目標体重の計算方法、及び体脂肪率から目標体重を逆算する重要性についてご理解頂けたでしょうか。
「ダイエットに運動は必要ない」と言う方もいらっしゃいますが、私はある程度は必要だと思っています。
なにも、ゴリゴリジムへ通う必要はありません。
少し階段を多く使うとか、重い荷物を喜んで持つとか、
エレベーター内だけでも腹直筋に力を入れて立つなど、
日常の中に運動の習慣を少しずつ取り入れていけば良いのです(^^)
何より、無理なく続けられることが一番だと考えています。
ダイエットを一時期頑張ることではなく、毎日続けるものとしてとらえてみませんか?