白髪は綺麗に見せられる!?世界初！メデュラをコントロールする技術

年齢を重ねると、どうしても気になってくる白髪。
白髪が生え始める年齢には個人差がありますが、日本人の場合は35～39歳になると7割の方が白髪が生えているのだそうです^（１）。

最近はグレイヘアを楽しまれる方も多いですが、お洒落なグレイヘアになるほど白髪の量が増えるのは早くても５０代後半以降。
白髪が少ない方は、７０代以降でも数本の白髪が生えるだけで、黒髪をキープしている方もいらっしゃいます。

白髪を抜くか染めるか迷う…
徐々にお洒落なグレイヘアへ移行させていきたい！

そんな方に、朗報です！

そんな面白い技術が発見されました！

先日、理美容品から歯科・医療クリニックの業務用設備機器など、幅広い事業を手掛けるタカラベルモント社主催の『世界初・毛髪新発見サイエンステクノロジー プレスセミナー』へ参加して参りました❗

報告記事はこちら▼
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000055758.html

とてもおもしろい技術が沢山合ったので、ご紹介させて頂きます！

１．白髪を目立たせる未知なる“メデュラ”

毛髪は海苔巻のような構造をしています。

今日は、具材である”メデュラ”についてのみのお話になります。
その他部位についてはこちらの記事をご覧ください✨

髪の基礎知識 |毛髪構造から視るヘアダメージの原因とは？

くせ毛の原因はオルトコルテックス＆パラコルテックスの分布の差だった！くせ毛対策もご紹介！

髪の色の素であるメラニンは米粒のようなコルテックス部に含まれており、白髪はメラニンが失われている状態です。
白髪がきらっと目立つ要因として、「中心部にあるメデュラが見えているから」と言わていたのですが、その役割は殆ど知られていませんでした。

メデュラについてこれまで知られていたことは下記の通り

羊はメデュラが太く、空気が断熱材となって温かい羊毛となることが知られていますが、人間の毛は身を温めるほどたくさん生えていないですよね（＾＾；

そんな訳で、メデュラは存在は知っているけど、よくわからない“未知なる芯”なんて言われ方もしているほどです。

２．メデュラ観察の新技術”縦割り“！

メデュラの研究が進んでいない理由の一つとして、「観察しづらい」ということがありました。

メデュラは毛髪の中心にあるので表面からはなかなか観察出来ないですし、
だからといって、直径が約0.08mmしかなく（日本人の場合。欧米人は約0.05mm）、かつうねりのある髪を縦に均一に割ることなど不可能だと考えられていました。

毛根は皮膚に支えられているため、皮膚ごと切ること縦割りが出来るのだそうですが、毛幹部分は支えがないので輪切りにしか出来ないのです。

その難しい”毛幹縦斬り”をやってのけたのが、タカラベルモント社 研究開発チームです！
このことによって、メデュラを連続的に、直接観察することができるようになりました。

この画期的な独自技術や後述の研究については、化粧品技術のオリンピックとも言われる国際的な学術大会IFSCC Congress 2020 Yokohamaで発表された内容です。

▶世界初、毛髪の中心部「メデュラ」の構造変化を新解明
新しいヘアケアコンセプト「Hair Medulla Care」を第31回IFSCC Congressで口頭発表

発表タイトルは

そしてこれが、メデュラを縦割りした図です✨

このことによって、

が出来るようになり、毛髪の内部を直接的に、かつ多角的に観察することが可能になりました！

この方法については、特許申請中なのか、教えて頂くことはできませんでした。
特許公開を楽しみにしております！

３．新発見！メデュラは２種類あった！ーBlack medulla＆White medullaー

３－１．顕微鏡で見る２つのメデュラ

メデュラ観察が出来るようになったことで、メデュラには２種類あるという新事実がわかりました！

その名も、「ブラックメデュラ(Black medulla)」と「ホワイトメデュラ(White medulla)」です。

かっこいいですね！

透過型光学顕微鏡で観察した際に、

と名付けられました。

プレスリリースより引用

さらに、ホワイトメデュラの方が繊維状構造が太く、空隙もブラックメデュラと比較して半分以下であることがわかったのだそうです。
（空隙率：ブラックメデュラ:28％, ホワイトメデュラ:13％）

ブラックメデュラは空隙が多く、光を散乱させるために顕微鏡では黒く写り、
ホワイトメデュラは空隙が少なく、光を散乱せずに透過させる量が多いために白く写るのです。

面白いことに、このブラック＆ホワイトメデュラは一本の毛髪内で同時に観察され、
また毛先にいく程ブラックメデュラの方が多い傾向があるそうです。

さらに、目立つ白髪を無作為に採ってくると、98％がブラックメデュラ。

白髪の中でどれくらいの割合で存在しているかはわからないものの、目立つ白髪はブラックメデュラであるということがわかったのだそう。

３－２．肉眼でみる２つのメデュラ

ややこしいのですが、肉眼で見ると
ブラックメデュラは白く見えて、
ホワイトメデュラは黒く見えます。

この理由は、顕微鏡と肉眼の見え方の違いにあります。

顕微鏡で見る場合、光が散乱すると暗く見え、透過光が多いと明るく見えます。
一方で肉眼の場合、光が散乱すると反射光が増えるために白く見え、透過光が多いと反射が少なく黒く見えます。

ややこしいので、図で整理するとこのように表せます！

白く目立つ白髪にブラックメデュラが多い理由が、おわかり頂けたでしょうか？

３－３．ブラックメデュラ＆ホワイトメデュラまとめ

４．メデュラのコントロールー白髪を美しく見せる技術ー

４－１．メデュラコントロール技術

上記から、ブラックメデュラをホワイトメデュラに変えられれば、白髪が目立ちにくくすることができそうですね。
実は、ブラックメデュラとホワイトメデュラはある条件処理をすることによって構造を変化させることが出来るのです。

すなわち、ホワイトメデュラにダメージ処理を加えると、ブラックメデュラへ変化します。

ちなみに、ホワイト→ブラックへの変化はタンパク質分解酵素でも起こり、ブラックメデュラに処理し続けると空隙だらけのHollow medullaになるそうです。

逆に、ブラックメデュラをホワイトメデュラへ戻すことは出来るのでしょうか？

答えは△。

還元処理をすると、ホワイトメデュラのような状態に戻すことができます。

ホワイトメデュラがブラックメデュラへ変化する時は、構造の一部が脱落しています。
ここで還元処理をすると、内部繊維が膨潤することによって空隙が埋まるためにホワイトメデュラのような構造になるのです。

完全に元の状態とは言えませんが、還元処理をしたメデュラは28回シャンプーしてもその構造を持続したのだそう！
つまり、外観を劇的に、持続的に変化させることに成功したのです。

ところで、上記は縦断した毛髪に直接処理をした場合。
実際には、毛髪はキューティクルやコルテックスに包まれており、メデュラへ簡単に処理することはできません。

残念ながら、発表会では「独自のヘアメデュラケア」によってそれを成し遂げたことしかわかりませんでした。

リリースより引用

４－２．ヘアメデュラケアをすると、白髪が目立たなくなる！

それでは、独自技術のヘアメデュラケアをすると、白髪の見え方はどのように変わるのでしょうか？

ずばり、お見せします！

一目瞭然、メデュラケアをした方が透明感があり、美しく見えることがわかります！
一方でメデュラケア処理がないと、少しくすんだ印象ですね。

では、白髪が少し生えてきたシーンを想像して、黒髪に白髪を5％混ぜてみます。

なんと、白髪が目立ちにくくなっているのがわかりますでしょうか？

このように、メデュラをコントロールすることができれば、白髪を美しく見せたり目立たなくさせることも可能なのです。

５．最後に

”未知なるメデュラ”を独自の技術で観察を可能とし、
ブラックメデュラとホワイトメデュラの存在、また白髪が目立つ真因を突き止め、
その対処法までを提案した素晴らしいタカラベルモント社のご発表、いかがでしたのでしょうか？

流石、IFSCC Congress 2020 Yokohama大会の発表内容！
Storyと研究ボリュームが素晴らしいですね。

白髪を綺麗に見せる技術は、敏感肌で白髪染めができない方や自然な髪色を楽しみたい方に対し、毛髪を美しくキープできる有用な手段となりそうです。

本技術を活かした商品は今後の商品に展開されるそう！

ルベルさんの新しい製品発表を是非楽しみにお待ちください^^
私も楽しみです！

６．参照

(1)『みんなの白髪のハナシ 〜白髪は何歳から生える？平均年齢は？〜』<https://licolo.jp/hair-life/hair-care/001.php>

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