「色白肌になりたい!」と思った時、美白化粧品の使用を考える方は多いのではないでしょうか。
残念ながら、美白化粧品を闇雲に使っても美白が叶う訳ではありません。
実は、紫外線を浴びる前か後かや、肌が黒くなる前か後かなど、シーンよってお勧めの美白有効成分が異なるのです。
美白有効成分の効果やメカニズムが分かると、自分に合った美白化粧品の選び方が分かるようになりますよ!
<色白肌になりたい方の実践法!シリーズ 参考記事>
Index
1.美白化粧品の大前提
さて、美白化粧品についてお伝えする前に、とにかくUVケアをしっかりすることをオススメします。
化粧品が最も得意とする効果は”健やかなお肌を保つこと”。
ドラッグストアや通販、百貨店に販売店・・・
誰でも購入することが可能な流通経路を持つ化粧品は、安全性が何よりも優先されます。
化粧品の効能は穏やかでなければならず、トラブルが起きてはいけないのです。
劇的な効果があってはいけないとも言えます。
もちろん、美白化粧品についても同様です。
劇的に肌が白くなることはありえません。
「美白化粧品」というのは美白有効成分が規定量配合され、美白の効果があり、安全性も確認されているもの。
厚労省から認証されているいわば「国のお墨付き」です。
ここで理解しなければいけないことは、「美白の効果」とはメラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐことということです。
つまり、
・肌本来の色そのものが変化する(白くなる)効果
・できてしまったしみ、そばかすをなくす効果
は認められていないのです。
美白化粧品の効果の詳細については、下記記事をご参照ください。
以下、”ダメージを受ける前にいかに肌を守るか”が最も大切という大前提の元、美白ケアについてお話させて頂こうと思います。
2.美白有効成分の効果とメカニズムを知るべき理由
ここまでの文章を読むと、
「美白化粧品はメラニンの生成を抑える化粧品だから、日焼けした後やシミができた後は意味が無いということ?」
とがっかりする方もいるかもしれません。
が、ちょっと待ってください!
美白有効成分の中には、メラニンを還元して色を薄くするものや、メラニンの排出を助けることで美白効果を発揮するものもあります。
法律上「メラニンの生成を抑える」としか表現が出来ませんが、その効果は千差万別。
また医薬部外品認証を取っていない一般化粧品でも美白に有効な成分が配合されていることもよくあります。
(一般化粧品は薬用化粧品の規定量以上に配合することも出来ますが、安全性は国ではなく、メーカーが責任を取ることになります)
冒頭に記載した通り、使用シーンによっても有効な成分が異なってきますので、
美白有効成分の効果とメカニズムを知ることは、色白美肌を目指す上で必須の知識と言えます。
3.メラニン生成のメカニズム(簡易版)
美白有効成分の効果メカニズムを知るためには、メラニン生成のメカニズムを抑える必要があります。
メラニン生成のメカニズムは下記の通りです。
- 紫外線を浴びると、皮膚の中で「メラニンをつくれ」という生成指令が出る。
メラニンの生成指令には、一部炎症性のシグナルが含まれている。 - 基底層にあるメラノサイトの中で、メラニンが生成される。
メラノサイト内で酵素チロシナーゼが活性化し、血中のアミノ酸チロシンが酸化。最終的にメラニンへ
- メラノサイトから表皮細胞へメラニンが受け渡される。
- 肌の新陳代謝と共にメラニンは上へ上へと押し上げられ、最終的に角層が剝れてメラニンが輩出される。
ターンオーバーの乱れが生じると、メラニンがうまく輩出されずシミとなる
最近の研究では、メラニンが過剰な部位は毛細血管量が多いことや、メラノサイトの異常活性、ターンオーバーの遅れ、角化異常などが認められており、シミの形成要因は非常に複雑になっています。
そのため、シミへの効果は人によるところが多い上に、再発の可能性が大きいと言えるでしょう。
それと同時に、代表的な美白成分を理解してタイミングよく使用することで最大限の効果を得ることもできるはずです。
4.美白有効成分をシーン別に使い分ける
4-1.紫外線を浴びる前:メラニンの生成指令抑制
カモミラET、m-トラネキサム酸など
紫外線を浴びると、メラニン生成指令のための情報伝達物質成分(サイトカイン)が生成されます。
この中には炎症性サイトカインが含まれているため、抗炎症作用のある成分であるカモミラET、m-トラネキサム酸などが有効です。
情報伝達物質を抑制して、メラニン生成指令を抑制する効果があります。
この一連の反応は非常に速いため、使用シーンとしては、紫外線を浴びる前。
日常使いに適している成分とも言えます。
個人的には、美白ケアには最も有効なのは、
UVケアの次に、この情報伝達物質阻害のメカニズムであると考えています。
4-2.紫外線を浴びた直後①:チロシナーゼ活性阻害
アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、ビタミンC誘導体、
プラセンタエキス、4MSK、シムホワイト377など
メラニン生成指令を受けると、チロシナーゼという酵素が活性化します。
チロシナーゼはアミノ酸であるチロシンを酸化してドーパに、ドーパを酸化してドーパキノンを生成します。
ドーパキノンは非常に不安定な物質のため、勝手に酸化重合されてメラニンが生成されます。
このチロシナーゼがメラニンを生成し、表皮細胞へ受け渡されるまでアジア人では1-2日かかると言われています。
使用シーンとしては、紫外線を浴びた”直後”であれば有効である可能性が高いです。
とはいえ、確実に効果を狙うのであれば、こちらも予め長期間塗布をしておいて、肌に美白有効成分を存在させておくことがポイントです。
メラノサイトが存在するのは表皮の一番奥にある基底層。
角層バリアを突き破って、有効成分を到達させておく必要があるからです。
ルシノールはPOLAが
4-MSKは資生堂が開発した成分。
シムホワイト377はドクターシーラボの商品名にもなっていますね!
美白有効成分はメーカーによって非常に特徴があるので、調べてみると面白いです。
ところで、美白有効成分の殆どがここのカテゴリーに含まれます。
覚えるのが大変!という方は他のメカニズムの成分を覚えて、「残りはこれ!」と大まかに分類してもいいと思います。
4-3.紫外線を浴びた直後②:チロシナーゼ成熟阻害・分解
マグノリグナン、リノール酸Sなど
チロシナーゼは、未成熟な状態から成熟して、はじめてメラニン生成の働きを発揮します。
そのため、チロシナーゼ自体を未成熟のままにおいておく成分や、チロシナーゼを分解してしまう成分も有効です。
マグノリグナンはチロシナーゼ成熟阻害作用
リノール酸Sはチロシナーゼ分解作用があります。
4-4.紫外線を浴びた直後③:メラニン輸送抑制
シンデレラケアなど
メラノサイトで生成されたメラニンは、メラニンが腕を伸ばして周りの表皮細胞へメラニンを輸送します。
このフェーズをカットすることによって美白効果を発揮する成分です。
具体的には、メラノサイトの中でメラニンを表皮細胞へ渡す役割をする輸送タンパク ”キネシン”の発現を抑制します。
行き場がなくなったメラニンはオートファジー(貪食作用)によって消失するそうです。
シンデレラケアは一丸ファルコスという原料メーカーの商品名で、主要成分はワイルドタイムエキス。
この成分は医薬部外品有効成分の認証は取得していないので、広告で美白効果を謳うことはできません。
4-5.メラニンが生成された後①:メラニン還元
ビタミンC誘導体、ハイドロキノンなど
メラニンは、チロシンが酸化を繰り返し受けることで生成される成分です。
酸化の反対は還元。
メラニンを還元すると、色が無色化するため色味が消えたり、薄くなったりする可能性があるのです。
ビタミンC誘導体は、チロシナーゼ活性阻害でも出てきた成分。
二つのメカニズムで美白効果を叶えてくれます。
4-6.メラニンが生成された後②:ターンオーバー促進成分
エナジーシグナルAMP、リノール酸S、レチノールなど
まず、レチノールは医薬部外品有効成分ではありませんが、ターンオーバー促進作用のある成分ではあります。
ターンオーバーのスピードは理想的には4週間と言われていますが
メラニンが多い部位ではターンオーバーが遅いため、なかなか輩出されません。
そのため、ターンオーバー促進によってメラニンの排出を助ける成分が有効なのです。
エナジーシグナルAMPは大塚製薬のインナーシグナルに配合されています。
リノール酸Sは、チロシナーゼ成熟阻害の作用と2つのメカニズムで美白効果を発揮します。
5.最後に
以上、美白有効成分と、有効成分ではないけど美白に効果のある成分をご紹介しました。
実は、化粧品原料にはエキス類やペプチド類など、美白効果のある成分は他にもたくさんあります。
医薬部外品じゃないと美白効果は訴求出来ないですし、配合量にもよって効果が出たりでなかったりするので、一般化粧品で美白効果のあるものを探すのは少しコツがいりますが、
もし、興味のある成分があったら、原料情報を調べてみるといいかもしれません!
原料の成分名で検索すると、意外とヒットしますよ✨
そして、成分のメカニズムが分かると、化粧品の広告で得られる情報以上に化粧品の効果がわかることも理解いただけたのではないかと思います!
効果的で効率的に色白美肌を目指すのであれば、使用シーンに合わせて成分を選んでみてくださいね♪
化粧品選びが、一段と楽しくなるはずです!
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