日本初の肌トクホとして話題のオルビス ディフェンセラ
オルビス ディフェンセラ
名称:粉末顆粒食品
原材料名:還元麦芽糖水飴 (国内製造)、ユズ粉末果汁、米胚芽抽出物/シクロデキストリン、酸味料、香料
内容量:45g(1.5g×30 包)
価格:3,200円(税抜)
異例のベストコスメ17冠を果たし (2019年12月オルビス(株)調べ)、
約83万個・約23億円も売上げ (SAS ATLAS出荷実績2019年1月1日〜2019年11月30日 オルビス(株)調べ)、
相次ぐ欠品の末、生産ラインを増やしたほど話題沸騰の商品です。
”肌トクホ”というくらいですから、オルビス ディフェンセラは特定保健用食品、つまり食品です。柚子味でとても美味しいです!
それにも関わらず「ベストコスメ」に選出!オルビスさんが「飲むスキンケア」と提唱するのも納得です。
そんな気になるオルビス ディフェンセラについて、日本化粧品検定協会主催のセミナーにてお話を聞いてきたので、シェアさせて頂きたいと思います!
(オルビスμについてもセミナーがあったのですが、今回はオルビス ディフェンセラに注力します!)
Index
1.日本初の肌トクホ!「オルビス ディフェンセラ」
オルビス ディフェンセラ(以下ディフェンセラ)は日本で初めて”肌への効果”が認められた特定保険用食品(通称トクホ)です。
トクホということは、消費者庁に有効性や安全性の実績を申請し、認可されて販売できるもの。
つまり、有効性は国のお墨付きということになります。それだけに、審査は厳しいのですね。
これまでも肌への効果をにおわせたサプリメントは数多くありました。
以前紹介したコラーゲンを始めとして、実際に肌に対する効果は確認されているのですが、薬事の関係で食品では肌への効果を謳うことができないため、各メーカーさんPRでは苦労されているようです。
一方で、トクホを取得しているディフェンセラは「肌の水分を逃しにくくします」をばっちり謳うことができるのです。
「肌への効果でトクホを取得した」という功績が素晴らしい商品とも言えます。
現在(2019年12月)では、経口摂取で肌の効果を国が認めた唯一の存在と言えそうです。
2.開発に10年!
オルビスはポーラ・オルビスグループの一部であるため研究母体はポーラと同じである訳ですが、
シワ改善化粧品の医薬部外品認証を業界に先んじて取得し、ロドデノール事件により近年避けられていた新規美白有効成分の承認取得など、かなりチャレンジングな社風ですよね!
当商品も元祖肌トクホとしてヒットし続けて欲しい商品です!
ポーラ・オルビスグループは近年次々とヒット商品を生み出しているように見えますが、実はディフェンセラの開発には10年かかっているのだそう。
実際には、セラミドへの着目から有効成分の探索・処方などの研究開発が6年。それでも長いですが…加えてトクホの審査に4年かかっているのだとか。
化粧品における医薬部外品も然りですが、前例のない効果やメカニズムで国の承認を取るのはとっても大変です。
有効性はもちろん、安全性も国が責任を持つ訳ですから、かなり慎重な取り扱いになるのです。
効果効能のメカニズムの他にも、食品の摂取後から排出までの代謝経路の安全性も明らかにしなければいけません。
これまで「飲むスキンケア」が登場しなかったのは、商品化が容易でなかったことの裏返しなのかもしれません。
3.オルビス ディフェンセラの効果効能と作用機序
2人に1人以上が感じているという「乾燥」 (女性800人対象。オルビス調べ)
その救世主ともなり得るディフェンセラは、どのようなメカニズムで私たちの肌を潤してくれるのでしょうか?
3-1.有効成分「米胚芽由来グルコシドセラミド」
ディフェンセラの箱の裏面を見てみると…
「本品に含まれる米胚芽由来のグルコシドセラミドは、肌の水分を逃しにくくするため、肌の乾燥が気になる方に適しています。」と書かれています。
この文面によると、米胚芽抽出物中のグルコシドセラミドがキー成分のようですね!
セラミドは角層細胞間脂質の一種で、肌の保湿力に最も寄与している成分といっても過言ではありません。
肌と空気の境に存在する角層中で、細胞と細胞の間を埋めるように規則正しく並ぶことで(ラメラ構造)、in-out 及び out-in の物質透過を防ぐバリア形成に重要な役割を果たしています。
最近の研究では、セラミドの微量代謝物が細胞分化促進や抗菌ペプチド生成による免疫に関与するなど、構造脂質としての役割以外にも様々な機能が見出されています。
ところで、少し名前の異なる「グルコシドセラミド」はどのような役割があるのでしょうか?
実は、グルコシドセラミドは肌で作れられるセラミド前駆体です。
「グルコース」という糖の一種がセラミドにくっついた構造をしており、セラミドそのものではありません。
実は、セラミドは表皮顆粒層で合成された後、一度グルコシドセラミドに代謝され、再びセラミドへ戻るという経路をとります。
私は理由がわからないのですが、セラミドは水にも油にも溶けにくい性質のため(だからこそ細胞間で構造体を形成できる)、グルコースをつけて水に溶けやすい状態にし、輸送しやすくしているのかなぁと考えています。
(ご存知の方教えてください!)
3-2.グルコシドセラミドの作用メカニズム
セラミドが肌中で重要な役割を果たしていることはわかりましたが、セラミドを飲めばセラミドが作られ、肌が潤うのでしょうか?
グルコシドセラミドは経口摂取すると腸内で加水分解され、スフィンゴイド塩基として血中に吸収されて全身を巡ります。
これが有効成分となり、3つのステップで肌のバリア機能を向上させる効果を発揮するのだそうです。
- ①表皮細胞のすき間を塞ぐ
角層以下の表皮細胞では、細胞と細胞の”接着剤”となるタンパク質が存在しています。
この”細胞間の接着”は「タイトジャンクション」と呼ばれ、細胞間の液体や物質の行き来を制御しています。つまり、タイトジャンクションがしっかり形成されていると、異物が侵入や水分が蒸発が抑制され、バリア機能が高まるのです。
グルコシドセラミドを摂取すると、タイトジャンクションの機能を亢進し、表皮細胞の隙間を防ぐことができるのです。 - ②角層細胞のすき間を塞ぐ
角層細胞間は、角層細胞間脂質が規則正しく並んで水を挟み込むようなサンドイッチ構造(脂質二重層)をとっており、これらが多重(ラメラ)層を形成することによって充填され、バリア機能の一助を担います。
この細胞間脂質の約46%を占める成分こそがセラミド。その他は、遊離コレステロール(約26%), 遊離脂肪酸(約13%), コレステロール硫酸(約4%)という構成です。
グルコシドセラミドを摂取すると、セラミドが再構築され、角層細胞のすき間を防ぐことができるのです。 - ③最外壁を強化する
これらの結果として最外壁を強化され、水分が逃げにくい肌へ導くことができます。ディフェンセラの製品紹介では①〜③の説明があり、詳細はPOLA化成工業の研究報告から補足しました。調べていた中で、もう一つバリア機能を向上させる機能が報告されているのでご紹介します。 - (②’)細胞壁を強くする
↑この訴求は私がオリジナルでつけたものですが、メカニズムは報告されているものです。
実は、セラミドは細胞間脂質としての役割だけではなく、厚さ15nmの角質細胞膜の構成成分でもあります。
細胞膜は、不溶性のタンパク質で構成された膜(コーニファイドエンベロープ)に結合された一層のセラミドで構成されています。
グルコシドセラミド摂取によって、コーニファイドエンペロープが形成促進され、細胞壁そのものを丈夫にしてくれるのです。
このように、グルコシドセラミドは経口摂取によって肌のバリア機能を向上させることが確かにわかっています。
3-3.米胚芽由来グルコシドセラミドのこだわり
「グルコシドセラミド」自体は珍しい成分ではなく、コメの他にパイナップルエキスなど、有名な含有材料はたくさんあります。
それではなぜ、ディフェンセラは”米胚芽由来”のグルコシドセラミドにこだわったのでしょうか。
一つは、上記のようなバリア機能向上のメカニズムは、「高純度」のグルコシドセラミドだからこそ効果があると考えられているためのようです。
グルコシドセラミドは玄米の胚芽部分に多く存在するため、胚芽からの抽出が抽出効率が高く、不純物を取り除きやすかったのかなぁと想像しています。
また、胚芽は玄米で占める体積分が小さく、「玄米1トンから1〜2gしかとれない」という希少性も魅力訴求になります。
さらには、胚芽は玄米の精製時に捨てられてしまう部分のため、廃棄物の再利用という点で2019年から流行しているSDGsの訴求も可能です。(このことはセミナーでは言及されませんでした)
純度(生産性)や希少性、環境対策といった様々な観点から、「胚芽」が重要であると言えそうですね。
4.バリア機能向上による様々な効果!
バリア機能向上により水分が逃げにくくなると、どのようないいことがあるのでしょうか?
セミナーでは「スキンケアを変えずに12週間連用」した結果について、4つの肌質改善写真を見せてくださいました。
残念ながらお写真の複写はできなかったため、文章のみでのご紹介です。
- ①口周りの乾燥による粉吹き抑制
乾燥によって口周りに粉を吹いている状態になってしまっている方が、12週間の連用で粉吹きが無くなっていました。
「乾燥肌が改善した」わかりやすい例です。 - ②頬の赤み低減
バリア機能が低下すると紫外線や塵・ホコリ、摩擦、寒暖差などの外部刺激に敏感になり、赤みが出ることが。特に敏感肌の方に多い傾向があります。
スキンケアで刺激を感じてしまう方もいるので、経口摂取での効果は嬉しいですね^^ - ③かかと・ヒジ・ヒザの滑らかさ向上乾燥してガサガサする関節部。生活の中で物理的ダメージを受けやすい部位は、角質が肥厚しています。角質が剥がれ落ちるためには、細胞接着物質であるデスモソームを分解する酵素”コルネオデスモソーム”の活性が必要なのですが、
この酵素は水分が十分にないと働くことができないため、角層肥厚すると剥がれにくくなる。剥がれにくくなると角層が肥厚するという悪循環に陥りがちです。スキンケアではクリームやオイルなどで肌を柔軟にしたり保湿成分の塗布などがありますが、分厚い角層では保湿成分は容易に届かないことがあります。
ディフェンセラの有効成分は血中に乗って全身を巡るため、クリームの塗布等ではなかなか効果実感しづらい関節部でも、内側から潤うことができるのですね✨見事につるんとしたかかとになっていたり、肘や膝が滑らかになっていました!
- ④額の表情ジワの改善
様々なシワの初期症状は乾燥ジワ。肌の柔軟さが無くなると、表情ジワが固定されてしまいます。
真皮や基底膜の変形によるシワは流石に改善できないとは思いますが、表情ジワの初期症状であれば肌の潤いによって改善されるようです!
ちなみに製品自体の評価ではありませんが、webからPOLAの報告写真があったのでご紹介します。
グルコシルセラミドを比較的多く含む胚芽の部分からグルコシルセラミドを取り出し、酸化されやすい不純物を取り除いて純度を高めたものを「DF-セラミド」として、12週間摂取した結果とのことです。
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20181031.pdfより引用
被験者からの話の中では、「つっぱりを感じないので、お風呂上りに化粧水を塗るのを忘れてしまった!」という嘘のような本当のエピソードもあったようです(^^)
また、消費者の効果実感としては肌荒れの程度が強い方ほど大きく、もともと肌トラブルがない方は、数値(経皮水分蒸散量)は改善されていても、効果実感しづらいようです。
「バリア機能向上」と言うは易しですが、化粧品の多くはまさにバリア機能を助けるために使用するものが殆ど。
肌が本来持っている保湿成分や似た成分を補給したり、水分が逃げないようカバーしたり、肌のダメージとなるような活性酸素を除去したりなどして、肌の機能そのものを手助けしてあげる役割を果たしているのです。
その根本にアプローチしているのですから、肌に様々な効果を及ぼすことはもちろん、全身に化粧水を塗ってあげているような効果を得ることができるのですね。
6.化粧品は要らなくなるのか?
3秒で終わる「飲むスキンケア」ができるというディフェンセラ。
飲むだけで肌が潤うならば、化粧品は要らなくなってしまうのでしょうか?
私は、そうは思いません。
化粧品は肌のバリア機能を助けることが第一の役割ではありますが、美白化粧品があったり、肌荒れ防止作用があったり、
その他にも目的に合わせて多様な役割を果たします。
「化粧品が効く肌と効きくい肌がある」という話を、美容仲間とよくします。
肌のベースが整うことにより、化粧品の効果を発揮しやすい肌になると言えるのです。
ディフェンセラを継続して摂ると、3−4ヶ月で効果(経費水分蒸散量の減少量)は頭打ちになるそうです。
そこからどのような肌に導いていけるかは、化粧品の力量!化粧品を本当に楽しむための土台作りができるサプリとも言えそうです。
また、化粧品使用時の心にゆとりが生まれ、肌と会話をしたり、ゆっくりお手入れできたり、自分をいたわる時間も増えることでしょう。
心さえケアすることができる。これも化粧品の力量です。
現在は、環境ストレスによる肌トラブルや、誤ったお手入れによる敏感肌が多く、化粧品もそういったニーズに合わせて供給されています。
多くの方の肌バリア機能が改善し、肌トラブルが少なくなった社会では、化粧品はどのような立ち位置でどのような役割を果たすのでしょうか。
これからのサプリ業界の発展へと、
正しいコスメの選び方・使い方を広める私の使命へ期待を込めて、終わりにしたいと思います。
JCLAの皆様、オルビスの皆様、
大変勉強になるセミナーを開催頂きありがとうございました!