においの基礎知識 | 体臭のメカニズムと対策の科学

目利きの会 デオドラント 美容研究会 理系美容家

もうすぐ暑い季節がやってきます。段々気にする人も増えてくる”ニオイ”。皆さんはどんな対策をしていますか?
中には、「制汗剤で汗を止めるなんて身体に悪い」「なんとなく肌に悪そう」と思う方もいるかもしれません。
実は、脇の汗を止めてもその他の部分から一気に出る訳ではなく、安全性評価ももちろん実施しているのが実態です。

先日の月例美容研究会のテーマは「香りの身だしなみについて。」
効果的な”ニオイ”の対策方法
デオドラントのトレンドデオドラント・制汗剤の疑問についてなどなど盛りだくさんの内容を、その後の調査も併せてシェアしたいと思います。

1.”ニオイ”の基礎知識

1-1.デオドラントと制汗剤の違い

デオドラント制汗剤は一括りにされがちですが、一体何が違うのでしょうか?

デオドラント(英: deodorant)
体臭や汗の臭いを防いだり、取り除いたりする薬剤。
Wikipediaより引用

或いは、「防臭効果のある」という形容詞にもなるようです。

制汗剤(英: antiperspirant)
汗腺を閉塞あるいは収れんさせることによって、発汗量を減少させようとする薬剤。
化粧品技術者会 化粧品用語集より引用

制汗剤は意外とWikipediaに載っていないんですね💦

という訳で、デオドラントは広い意味で防臭化粧品を指し、その中の一種に汗を止める制汗剤があるようです。
デオドラントの意味、防臭化粧品の効果、薬剤

1-2.体臭の発生原因

「汗をかくとニオイがする」というイメージがありますが、実は汗自体のニオイは殆どありません
ニオイの元を作っているのは皮膚常在菌古い角質などのタンパク質皮脂などの脂質”加水分解”という水を使った分解をするため、汗は重要な水資源になります。
また菌が生きるためには水が必要であるため、汗で湿りやすい腋窩などはニオイがしやすいのです。
(※皮膚常在菌コラム▶『美肌菌と悪玉菌とは?美容業界における皮膚常在菌の基礎知識まとめ』)

第一三共のニオイの発生原因図解
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/24_taisyuu/より引用

”ニオイがする”とは化学的にはニオイ物質が空気中を漂っているということ。つまり、分子量が小さくなくてはいけません。そのため、身体から分泌されたばかりの汗中の物質や皮脂はニオイがしないのです。

また、菌の働きによる分解臭の他に、皮脂の酸化による酸化臭ニオイの元です。
ニオイを根本的に防ぐためには、汗や皮脂を適度に清浄し、フレッシュな状態にしておくことと言えそうです。

臭いの発生機構 体臭の発生機構 体臭の発生メカニズム

1-3.エクリン腺とアポクリン腺

上の図でもある通り、実は汗腺は二種類あります。

第一三共のエクリン腺・アポクリン腺の説明資料
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/24_taisyuu/より引用

一つ目は、全身に分布するエクリン汗腺皮丘(皮膚のキメの中心)に汗腺の出口があります。
含有成分は約99%が水で、塩化ナトリウムカリウムカルシウム乳酸アミノ酸などの微量成分を含みます。成分から見ても発汗直後は殆ど無臭
上表では「時間と共に菌が繁殖してニオイが発生」とありますが、エクリン腺の汗は菌の住処になったり、加水分解の材料に使われるものの、汗そのものがニオイを発する訳ではないと考えています。

暑い時に体温調節をするために汗を出したり(温熱性発汗)、辛い物などの刺激の強い物を食べた時にわっと出る汗(味覚性発汗)も、エクリン腺のはたらきです。

二つ目は、ニオイに強く関係するアポクリン汗腺脇の下陰部など、毛量が多い箇所に局所的に存在することが知られています。
また毛包に付随しており、の他にタンパク質脂質脂肪酸コレステロール類鉄塩などの多様な成分を含む点も大きな特徴です。
この成分の由来腺細胞で、アポクリン腺から一部切り離された細胞が崩壊するため、離出分泌腺とも呼ばれるそうです。

タンパク質脂質脂肪酸分解・酸化により臭気成分に変化する物質です。
脇の下のニオイが気になるのは、アポクリン腺が多い上に、通気性が悪くて菌が繁殖しやすいためと言えそうです。

ちなみに、緊張した時にかくいや~な汗は、「精神性発汗」と言って、アポクリン腺の働きなのだそうです。

1-4.臭いの強い人、強くない人

人による体臭の違いは、皮膚常在菌叢アポクリン腺食事の三つの影響が示唆されています。

皮膚常在菌叢

実は、ワキガ臭もメカニズムは同様です。ワキガではない方では菌叢(きんそう:フローラ)の違いが考えられます。
1,000種にも及ぶ皮膚常在菌は人によってその分布が異なることが知られており、それを花畑=フローラと呼びます。
つまり、ワキガの方の皮膚常在菌は働き者で、よく食べよく分解しているということです。そう考えると常在菌も可愛らしいですよね。
或いは、菌は住みやすい環境で繁殖しやすいことから、後述のようにアポクリン腺の活動が活発なために菌の餌が増え、特有のフローラを形成している可能性もあります。

ワキガ臭には特徴的な三種のニオイ成分が確認されているそうです。
◆硫黄臭(生臭く鼻をつくニオイ)
 臭気物質:3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール

◆スパイシー臭(カレーのスパイスのようなニオイ)
 臭気物質:3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸
◆脂肪酸臭(古い雑巾のようなニオイ)
 臭気物質:3-メチル-2-ヘキセン酸
(花王 2007/03/08ニュースリリースより引用)
いずれも、汗腺分泌物が、皮膚の細菌によって分解されて発生するものです。

そうであれば、臭いがしにくい人のフローラを移植すればいいのではないか、と思いつくでしょう。ところが、現代の技術では他人の菌を移植しても、一時的に揺らぐだけで暫くすると元の菌叢へ戻ってしまうのが実態です。
(※皮膚常在菌コラム2▶『美肌菌を付けると美肌菌は増えるのか?『育菌』ブームの実態について考える。』)

どれくらいの期間どれくらいの量のフローラをまぶし続けたら本人のフローラが半永久的に変わるのか、或いは変わらないのか(^^;)
今後の研究成果に期待です!

○アポクリン腺

アポクリン腺の発達度合いは、人によって異なります。特に、人種による違いは顕著で、ヨーロッパやアフリカの方が発達している傾向があるそうです。日本人は少数派のようですよ^^
★参照:わが国における耳垢型地域的分布について(新地理36-2 1988年9月 )
↑古い文献で申し訳ございません汗
ワキガの方はアポクリン腺の活動が活発のため、耳垢がしっとりする傾向にあるようです。

○食事

人によるニオイ違いは、食事との関連も強く示唆されています。
ニンニクを食べるとニオイが強くなることは、常識的にも経験的にも知られていますよね(^^;)

実は、汗は血液からから作られていることをご存じでしょうか。
食品に含まれる香気成分が血中に取り込まれると、汗とともに体外へ放出されるのだそうです。

たまにラジオ通販などで見かける「バラ香るサプリ」的な商品は科学的に実証されているのだとか。正直嘘くさいと思っていたので(ごめんなさい!)少し試してみたいところですー(^^)

1-5.実は少ない、ワキの発汗

意外なことに、ニオイが気になる箇所No.1のワキは、発汗量が少ないことをご存じでしょうか?
下図は身体の部位別発汗量のグラフです。体温と発汗量の関係を示しています。

「温熱性発汗発現の部位差と発汗能との関係」日本生気象学会雑誌 vol.8,No.2,1981よりFig.2を改変
https://doors.nikkei.com/atcl/wol/column/15/ 071300140/072500003/

発汗量No.1の背中は面積が広いために量が多いとも見て取れますね。

ワキ(腋窩)は、体温が低い時から発汗しているものの、体温が高くなっても発汗量は大して多くなりません
前額と共に、他の部位と異なる挙動を示している点が大変興味深いですね。

毛が多い部位はアポクリン腺が多いことから、前額には頭の汗も含まれているとすれば、アポクリン腺は体温に関係なく汗の分泌量を保っているようです。

ワキは他の部位と比較して開放されている時間が短いため、湿潤状態になりがち。菌が繁殖しやすい環境になります。
実は、ワキの汗腺から分泌される量は全体の約1%程なのだそうです。意外と少ないですよね!

「ワキの汗を止めてニオイを防ぐ」ことは、非常に理にかなったデオドラントケアと言えそうです。

3.デオドラント製品の種類

次は、数多くあるデオドラント化粧品について、いくつかの切り口からみていきましょう!

3-1.化粧品と医薬部外品

デオドラント製品には、化粧品医薬部外品が存在します。
化粧品と医薬部外品の違い 薬用化粧品とは

同じ剤型でも、化粧品化粧水に分類され、医薬部外品腋臭防止剤に分類されます。

わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗を謳えるのは医薬部外品のみで、化粧品では単純な拭き取り効果や清涼感などしか表現できないのです。

確かに、よく見るとさっぱり!さらさら!しか書いてない…

それでは、効能や効果を訴求できる医薬部外品にはどのような成分が入っているのでしょうか。

3-2.配合成分の違い

ニオイの発生メカニズムを追いながら、デオドラント化粧品の配合成分を見ていきましょう!
ニオイの発生要因は、古い角質アポクリン腺からの分泌物であるタンパク質脂質菌が分解することです。

○原因物質の制御

一つの手として、汗そのものを止めることが挙げられます。
湿潤環境が生まれない上に、菌のエサとなるタンパク質や脂質の分泌も防ぐことができるのです◎
加えて、汗ジミも防止可能です^^

そのためには、収れん作用といって、タンパク質を一時的に変性させる成分効果的です。

代表的な成分は下記の通りです。

  • アルミニウムクロロハイドレート(ACH)
    この成分の特徴は、収れん作用以外に汗と反応して水に不溶なルを形成する性質です。このゲルが汗腺中プラグとなって閉塞することで汗を抑えます。このプラグ洗浄剤で簡単に落とすことができます!
    例えばワキの汗腺を止めてしまっても、全身の汗腺の内 約1%程度しか止めることにならないため、「汗腺を止めるってこわい!」という心配はしなくて良さそうです○
    水溶液粉体の原料があるため、様々な剤型に使用することが出来る便利な成分です。
    1947年に開発されて以降、60年間も使われている安全性も高い成分です○
  • ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)
    天然イメージを訴求しやすい
    点が魅力のミョウバン。理科の実験でも見たことがありますよね^^非常に水に溶けやすいため、水系の剤型に向いています👍
    タンパク質と結合してすぐに固体として析出するため、強い局所収れん性があります。アルミニウムクロロハイドレードと比較すると、同量配合の場合は制汗効果が弱いそうです。
    殺菌や防腐作用もあるため、制汗剤に適切な材料といえます^^
  • パラフェノールスルホン酸亜鉛
    この成分の特徴は油溶性であること。プラグ形成をしないため制汗効果は比較的弱い成分です。

○ニオイの発生を制御

ニオイ物質を作り出すのは菌そのものがいなくなれば、ニオイもしなくなるのでは?という考えが殺菌です。
また、酸化臭を防ぐために抗酸化剤を配合することもあります。

  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
    非常に代表的な殺菌剤で、歯磨きにも配合されています。
  • 塩化ベンザルコニウム
    四級アンモニウム塩の陽イオン界面活性剤の一種。細菌細胞膜のタンパク質を変性させることによって、殺菌性を発揮します。消毒剤やウェットティッシュにも頻用される成分です。
  • β-グリチルレチン酸
    カンゾウ(甘草)の根に含まれる有効成分「グリチルリチン」の誘導体。抗炎症作用でよく知られる成分ですが、殺菌作用もあるのですね!
    天然イメージの訴求も可能です。
  • 銀担持ゼオライト
    資生堂のAg+などのCMで殺菌イメージの強い銀をゼオライトに担持させた成分。

    従来から金属イオンは殺菌力があることが知られており、下記の順列でその効果が大きくなります。
    Ag+>Co2+>Ni2+≧Al3+≧Zn2+≧Cu2+=Fe3+>Mn2+≧Sn2+>Ba2+≧Mg2+≧Ca2+
    ※参考:腋臭防止剤の新規有効成分「銀・亜鉛・アンモニウム担持ゼオライト」の有効性
    効果の持続性の優れている点がポイントです。
  • 植物抽出エキス
    こちらは殺菌効果ではないのですが、菌がタンパク質や脂質を分解する際に必要な酵素活性を阻害する植物抽出エキスがあるそうです。
    しかし、エキス類は非常に高価であったり褐色に色づいているモノも多く、有効量入れることは難しいようなイメージがあります。

○出てしまったニオイを制御

ニオイの根本原因を除去することは大切ですが、とはいえ発生してしまったニオイは対策しなければいけません。
ニオイ物質に反応して他の物質に変化させたり、吸着してしまう消臭と、いい香りで隠してしまうマスキングの二方法があります。
ここれは、消臭作用のある成分をご紹介します。

  • 酸化亜鉛
    顔料や紫外線散乱剤などでも使用される成分。非常に幅広いジャンルの化粧品に配合されています。
    超微粒子酸化亜鉛は抗菌・抗黴・防臭性を有する事が確認されています。
    そのものが悪臭物質を化学吸着することで防臭機能を発揮します。
  • 緑茶乾留エキス
    緑茶に含まれるポリフェノールは錯形成をしやすく、ニオイ物質である硫化水素アミン類などと結合して防臭します。(化学的中和)
    或いはポリフェノール複合体が内部の空孔に分子を取り込む物理的包接作用も考えられます。

3-3.剤型の違い

デオドラント製品は非常に様々な形の製品が販売されています。
それぞれの剤型の特徴を見ていきましょう。適切な使用方法で効果を高めて・使用効果を実感しましょう!

○パウダータイプ

制汗剤といえば!私が思い出すのはパウダースプレーですが、皆様はいかがでしょうか?
夏の暑い日にシューっとすると、ひんやり冷たくて気持ちがいいですよね。

スプレータイプは、デオドラント製品の中では制汗効果が弱い剤型です。
スプレーで吹くだけの手軽さや、パウダーによるさらさら感香りを身にまとう点に優れています。

研究会では「剃毛をしていないと効果が出にくい」という意見がありました。
剤が毛にばかり付いてしまったのか、もともと効果が弱い剤型のためにこのような意見になったのかはわかりませんが、
剃毛をこまめにしている女性の方がワキに密着しやすい製品かもしれません。

○シートタイプ

近年、市場が大きくなりつつあるシートタイプ。
液体を含んだシートで物理的に拭き取ることができ、爽快感が感じられる点がポイントです。
液中には有効成分の他に、ポリマーなどのサラサラと感触を向上させるパウダーなどが入っていることもあります。

○ロールオンタイプ



最も効果が高いタイプがこれ!
容器の頭部にボールがついており、ワキに押し当てながら転がすと液体を密着させながら塗り広げることができます。
ポイントは、液体をしっかり乾かすこと。冬場は乾きにくいという難点があるようですが、正しく使えば最も予防効果のある剤型です。

○スティックタイプ

ロールオンタイプのデメリットとして、一度肌についたボール面が中に戻るという…衛生的気持ち悪さがあります。
元々、デオドラント製品自体に高い殺菌効果があるため、雑菌が繁殖することはまず無いそうですが、抵抗感のある方がスティックタイプを選択することが多いようです。

スティックタイプはクロルヒドロキシアルミニウムなどの制汗成分をアルコールに溶解させて石けんに練り込んで固めたり、粉体状で分散させて固めたりして作られます。
これもワキにしっかり塗ることが出来るため、ロールオンタイプの次に腋臭防止効果が高いようです。

4.デオドラント製品の気になる話

花王の消費者実態調査によると、
「汗/ニオイが気になる」方は69.4%
「汗/ニオイケアは重要だ」
と答えた方は97.6%もいるようです。

花王 ニオイケア消費者実態調査

https://www.kao.co.jp/8×4/lab/survey04/より引用

ニオイケアの需要はある一方で、『制汗剤』が肌に悪いのではないか?という懸念も耳にします。
最も驚いたのは、「制汗剤を使用すると乳がんリスクが高まる」という噂。あほなー(-_-;)

とはいえ、制汗剤にまつわる噂は多々あるようで…
デオドラントの新しい知見いくつかの疑問について解きほぐしていきましょう!

4-1.汗腺を止めると他の部位から汗が出る?!

先に簡単に述べてしまいましたが、結論から言うとワキの汗腺を制汗剤で塞いでしまっても、問題はないようです。

脇汗は体温調節のために必要と考えられてきましたが、実は、両脇で塞がれているため汗が蒸発しにくく、もともと体温調節にあまり影響がありません。さらに脇の汗は、体温よりも精神的な理由による発汗のために多汗になっている人が多いことから、脇汗は止めてもよいと考えられます。脇汗は、体全体から出る汗のわずか1%。1%の脇汗をコントロールすることで、「汗染み」や「ニオイ」を予防し自信や安心感を持って生活できるようになります
ライオンHP https://www.banbanban.jp/article/qanda/より引用
監修者:医学博士 五味常明先生

また繰り返しになりますが、石鹸などpHが高い洗浄剤簡単に落とすことが出来る処方になっているそうです。

もちろん、メーカーは安全性試験をした上で商品設計・販売してはいますが、鵜呑みにせずに根拠を辿っていくと、正しい使用方法や安全性を理解することができますね^^

4-2.制汗剤そのものが肌に悪い?

制汗剤を見ると、”アルミニウムフリー”という表記をよく見かけます。

このように書かれるようになったのは、1947年頃まで、塩化アルミニウムという成分が使用されていたためと考えられます。
20世紀初頭にアメリカでしようされ始めた塩化アルミニウムは、使用感が悪い上に皮膚刺激があり、衣服までも爛れさせるというかなり強烈な成分。今ではほとんど使用されておらず、今では代替として開発された塩化アルミニウム水和物(クロルヒドロキシアルミニウム)が使われています(3-2.項参照)。
使用頻度がゼロではないものの、使用時に刺激を感じなければ継続使用しても問題ないと言えそうです。

一方で、敏感肌の方の中には、タンパク質を一時的に変性させる収れん作用自体が刺激に感じることもあります。
その場合は使用を中止し、剤型を変えてみたり、濡れティッシュでこまめに拭き取るなどのケアを試してみましょう。

4-3.減ったものを補うデオドラント?

皆さんは「若い女性のいい香り」を感じたことはありますか?

ロート製薬が『女性の「若い頃のニオイ」を解明!「若い頃の甘いニオイ」の正体は「ラクトンC10/ラクトンC11」』という発表をしている通り(2018年2月14日)、
若い女性には「SWEET臭」というものが存在し、悲しいかな30代では分泌量が激減してしまうそうです………….

ロート製薬 SWEET臭

https://www.rohto.co.jp/news/release/2018/0214_01/より引用

ラクトンC10/C11

https://www.rohto.co.jp/news/release/2018/0214_01/より引用

Rの部分にC(炭素)が10個繋がった物があるか、11個繋がったものがあるかでC10 or C11が決まります。

この”SWEET臭”の成分であるラクトンC10ラクトンC11はもともと香水などにも使用されている芳香成分で、何やら見た目年齢にも影響を耐えるのだとか…
女性の加齢臭は新しく発生するものではなく、甘い香りの消失により感じるニオイと言えそうです。

ニオイを防ぐ・消す以外に香りをプラスする新しいケアが増えてくるかもしれません^^

5.最後に

とても長くなってしまいましたが、デオドラント製品についてかなり広く深く解説をしていきました!

化粧品の話題というとスキンケアやメイクアップに焦点がいきがちですが、
今回はQuolity of Lifeとダイレクトに繋がる可能性のあるデオドラントについての研究会でした。
非常に興味深かったので、研究会以外の調査内容も盛りだくさんです。

デオドラントは、スキンケアと違って身体の外部のみに作用する製品であるため、様々な科学的根拠が明確である点が特徴的でした。

上記 ロート製薬「若い頃のニオイ」に加えて、2018年 資生堂によるSTチオジメタン(ジメチルトリスルフィド、アリルメルカプタン)「ストレス臭」の発見など、ニオイの研究は日進月歩です。
それに合わせてニオイの派生メカニズムの各フェーズに対応して、様々な成分・剤型の製品が次々と販売されています。

最近、花王は「ポジ汗・ネガ汗」を提唱しており、汗を止めずにニオイを防ぐ機構に製品の軸足を移しているようです。

トレンドや新技術を意識しつつ、自分の生活スタイルに合った製品を選んで行こうと思います^^

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