突然ですが、カエルの皮膚はどうなっているか、知っていますか?
先日、世田谷線 若林駅近くのかなざわ珈琲 世田谷店さんにて
【河童と学ぼう うるおい美肌セミナー】に参加して参りました!
講師は、
ビューティサイエンティストの岡部美代治さんと、
コスメティックレシピクリエイターの白野実さんです!
『コーノ式かなざわ珈琲~美味しいコーヒーの淹れ方~』の著者である金澤政之さんによる、コーヒーミニセミナーも開催されました^0^
コーヒーセミナーの内容は下記記事をチェックしてくださいね♡
いま、かなざわ珈琲さんでは、河童の王国開催中で、
岡部さんが作られた、なんとも可愛い、個性豊かな河童たちが毎日宴をしています^^
ウミウシも色鮮やかで可愛い❤
そんな芸術的な感性も素敵な岡部さんですが、
今回は世界初?の美肌セミナー!
なんと、両生類の代表格 カエルと爬虫類代表のワニ・ヘビの皮膚構造から、
我ら哺乳類・中でも人間の保湿のコツのヒントをもらいました!^0^
生物学出身の岡部さんならではの内容で、とっても面白かったので一部シェアしたいと思います^^
〇皮膚構造の違いによる生息環境の変化
さて、皆さんはカエルちゃんの皮膚を触ったことがありますか?
私は小さいころカエルやらイモリやらを捕まえてきて飼っていました(^^;笑
カエルの表面って、ペタペタしているんですよ!
想像がつくかもしれませんが、ちょっと不思議なのはいつも濡れていること。
カエルは通常、湿気のある所に生息していますが、水中から出ていても濡れているのです。
実はカエルは粘液腺という、特殊な分泌腺を持っていて、
そこから”多糖類”を含んだ粘性液を分泌しているんだそうです!
(画像探したのですが、気持ち悪くなってしまったので無しです笑)
”多糖類”というのは、糖がいくつか結合した構造をしているのですが、
あの有名なヒアルロン酸も多糖類の一種です^^
水分を蓄える力が大きいので、美容液を分泌しているようなものですよね^0^
そしてこの分泌腺、オタマジャクシの時にはないのだそうで!
一世紀で進化を見られる身近な生き物ってなかなかいないので、興味深いですよねぇ^^
美容液を分泌する羨ましいカエルちゃんですが、
皮膚の最表層である角層は、2-3層しかなく、
人間のお顔の皮膚の5分の1程度なんですね👀
しかも、セラミドも含まれていないんだとか。
ですから、水分を保持する能力が弱いので、水辺を離れられない生き物なのです🐸
一方、砂漠の中やジャングルを逞しく生きる爬虫類のワニやヘビさん!🐊🐍
彼らは、硬質な表皮性の鱗を持っていて、物理的なダメージに強い皮膚構造をしています。
驚くべきことに、ワニは最表面の表皮性の鱗の下に、
表皮を挟み、さらに真皮性の鱗を持っている、なんと鱗の二層構造を成しているのだそう!
(この図も探せませんでした笑)
ワニ皮がかたーくて丈夫な理由が、わかりますねぇ👀
そんな彼らは、なんたって皮が硬いので、しなやかな動きをするのは少し苦手です。
そして私たち人間。
哺乳類の肌は表皮・真皮・皮下組織の三層から成り、毛が生えています。
角層は約14層と、カエルと比較して大分厚くなったものの、
セラミドを代表とする細胞間脂質によるラメラ構造形成のため、
・ある程度柔らかく
・ある程度硬さがあり
・水分を保持する能力もあります。
保護機能としなやかに動きが両立できるようになったために、
人間は様々な環境に住むことができるようになりました。
さらに、粘液の代わりに皮脂を分泌し、
皮膚を柔らかく保ちながら水分を保持することに貢献しています。
このような構造からみても、やはり人類の柔らかくしなやかな美肌の要は、「セラミド」と「油分」言えそうです。
〇セラミドはどこからやってくる?
保湿成分としてあまりにも有名で、なおかつ実効感の高い成分として人気の“セラミド”
皮脂膜の油分は皮脂腺から分泌されることは想像しやすいですが、
セラミドはどこからやってくるのでしょうか?
肌の最表面から0.2mm程の厚みを持つ表皮は、
個人差はあるものの約28日周期でターンオーバーを繰り返しています。
細胞は表皮の最下層である基底層で生まれ、新しい細胞が古い細胞をどんどん押し出していきます。
押し出された細胞は有棘細胞⇒顆粒細胞⇒角質細胞へと姿を変えていきますが、
その過程でセラミドは合成されます。
不思議なことに、せっかく有棘細胞で合成されたセラミドは、
一度、顆粒細胞で“プレセラミド”というセラミドの糖化物に姿を変えます。
そして角層へ送られると、角層内にある酵素によって再びセラミドに姿を変え、
ラメラ構造形成の一役を担うのです。
たまに訴求性分として聞く「植物性セラミド」とは、「プレセラミド」の形をしていて、
角層内でセラミドへ変化して保湿成分として働くことができます。
このように、人はセラミドを合成するのに複雑な過程を経て、角層という単純そうで複雑な保湿形態を保持しているのです。
〇人間の肌は、油分普及がやっぱり必要
角層は20-25%の水分を含んでいると言われますが、
その殆どが化粧水などにより補給されたものではなく、体内から供給されたものです。
よって、うるおい肌のためには
①皮脂膜で皮膚中の水分蒸散を抑えてあげること
②バリヤー機能の要であるセラミドの合成を正常化してあげること
が重要であると言えそうです。
①皮脂の分泌については、
ストレス過多になると分泌量が過剰になったり、
交感神経優位時に促進されたり、
食事との因果関係は、実は相関が掴めていないなど、
実際わからないことも多いのですが、
現状は、ホルモンによる影響が大きいのではないかという見解が優勢です。
ホルモン分泌を自在にコントロールするのは至難ですから(笑)
お化粧品という、人間の発明品を用いて補ってあげることが可能です。
②セラミドについてですが、
アトピーの方は生まれつきセラミドの量が少なかったり、
加齢により肌に含まれるセラミド量が減ったりするように、
セラミドの合成能力にも個人差があることは知られているかと思います。
これを正常化してあげるためには、ターンオーバーを正常化してあげることが大切です。
アトピーの方は、ターンオーバーが早すぎるために、十分に細胞が育たないうちに表面に現れてしまいます。
細胞自体も小さく、セラミドの量も不十分なためバリア機能が低下し、
刺激を感じやすくなりますし、肌を守るためにさらに早くターンオーバーをしようとしてしまうのです。
また、加齢によってターンオーバーが遅くなってしまうと、
表面化する角質細胞は大きいのですが、
角層が厚くなり、体内から供給される水分が十分に届かずに乾燥状態になってしまいます。
水分量が十分でないと、角質細胞の接着成分を分解する酵素がうまく働かないので、
さらに角質が肥厚しやすくなってしまいます。
このネガティブに繰り返すターンオーバーを正常化してあげるためには、
角層に適切な油分を補うことによって、肌を柔軟にし、うるおいを保つことなのです。
「どれくらいが適切か?」というと、
ベタつかず、テカらず、
尚且つ肌が柔らかく感じ、ツッパリを感じない量を、
自分で確かめながらつけるしかありません。
人為的にうるおいを保つことによって、
自らうるおう力を育てることができる。
この手法は、文化的な生活をする人間だからこそできること。
化粧品を大いに楽しむことができるのは、人間だからなんだなぁと、
とても感慨深い学びとなりました^^
後半 『水の科学』は次回!