アンチエイジング化粧品を通して化粧品と生き方を考える。

年齢を重ねると感じる変化。人はこれを「老化」と呼びます。

ネガティブイメージのある「老化」ですが、一体なぜ起こるのでしょうか?
そして、「いつまでも若々しく」は実現できるのでしょうか?

 

岡部美代治さん主催のビューティサイエンスセミナー 今月のテーマは、皆さま大変興味深いであろう
『アンチエイジング化粧品の動向(2018年)』

1年に1度必ず取り扱っているテーマとのことで、アンチエイジング化粧品に特化した動向の変化と考察は
数多くの新作発表会へ足を運ばれている岡部さんならではでした!
いつもながら、超充実内容のセミナーで本当に勉強になりました。

今日は、私の考えていたエイジングと、岡部さんの見解を比較しながら
エイジングケアについての理解を深めていきたいと思います。

1.「アンチエイジング」と「エイジングケア」

皆さんは、「アンチエイジング」「エイジングケア」
どちらの言葉の方が多く聞いたことがありますか?

私は断然「エイジングケア」です。

何故かというと、化粧品を標榜する際、薬機法により「アンチエイジング」という言葉を使ってはいけないからです。
年齢肌向け化粧品には、「エイジングケア ※年齢に応じたお手入れ」までの表現しか許されておりません。

実際にどこまで届いているかは別として化粧品は”死んだ細胞”である角層までの効果しか認められていません
「アンチエイジング」という言葉は、まるで細胞に働きかけて若返らせるように聞こえてしまうため、化粧品の効能を逸脱していることから避けられているのです。

今日は美容科学の視点ですので、「アンチエイジング=老化抑制」のようなイメージで見て頂けますと幸甚です^^

 

2.エイジング(老化)は何故起こるのか?

セミナーの内容に入る前に、私のエイジングイメージを述べさせて頂きたいと思います。

人間は、「約60兆個の細胞でできている」と言われていますが(最近では37兆個説が濃厚のようです)、
それらの細胞はダイナミックに生と死を繰り返していて、それは「物質代謝」の一部とも言えます。

「代謝」というと、ダイエット関連で頻用されるからか「燃える」ようなイメージがありますが、
正式には「同化代謝」「異化代謝」の二種があり、
栄養素などを素材に合成をして体内にエネルギーを保持することを同化代謝
分解してエネルギーを放出
することを異化代謝といいます
栄養素を取り込んで身体を作る
ことも、燃やしてエネルギーを作ることも、どちらも”代謝”なのです。

同化代謝と異化代謝は常々繰り返されていて、
同化代謝の方が優位な時は「成長」をし、
どちらの代謝のバランスもとれている時は変化が見えず、
異化代謝の方が優位になると「老化」していく、といったイメージです。

代謝イメージ
そして、自然界は、「急な変化を嫌う」=「恒常性を維持」する性質があり、
生物の世界ではそれを「ホメオスタシスと呼んでいます。

異化代謝に傾くと、その結果細胞の見た目に変化が生じ
くすみなどといった”色むら”として現れる。

これが”エイジングサイン”です。

この「同化」と「異化」のバランスをいかに保つか?が鍵ではないかと考えておりました🔓✨

 

では、最新版エイジングの原因とは、どのようなメカニズムなのでしょうか?

岡部さんが仰るには「『生物学的活性度』の低下ではないか」ということです。
この「生物学的活性度」という言葉は岡部さんオリジナルなのですが(^^)
①生物としての機能性(働き)の低下  ②構造の整合性低下
この二つを指しています。

言葉で言っても難しいので、こんな例え話が合ったのでご紹介します!
「自分パソコン説」です!

<誕生>新しいパソコンを購入!ウキウキです。
<成長期>アプリを取り入れたり、プリンタなどのハードウェアを購入し、機能が拡張していきます。
<成熟期>機能充実で使いやすいパソコン。お仕事もサクサクです!
<衰退期>何やらバグが…..段々増えて、やがて思うように動かなくなってきました。
<世代交代>待望の新機種登場!スペックも上がっているので、晴れて新品購入です☀

古いパソコンちゃんの運命は、、、大切に長く愛されているかもしれませんし、捨てられてしまったかもしれません。
『世代交代』というのは、進化するために免れない宿命なのです。

生き物も又然り。
損傷に対して回復が追い付かない(生物としての機能性低下)構造が乱れて整合性が低下してしまうのです。

これが”生理活性度の低下”です。

生理活性度が低下する要因としては、6つの説が挙げられました

①プログラム説

生物は進化のためには世代交代が必須
生物は役目を追えて死ぬようにプログラムされている、という考え方です。

②エラー説
DNA

紫外線などの強いエネルギーを受けると、DNAが傷ついてしまいます
ところは細胞は力強いもので、修復を試みるのですが、修復できなかったものは潔く死んで、生まれ変わる準備をします。
この時、修復 or 死であれば問題ないのですが、誤った形で修復されたり、死んでくれないなど
複写エラー転写エラーが起きてしまうと、それらの”異常”が積み重なり、障害となり得る、という説です。

③活性酸素説

美容好きには馴染みのあるワード、”活性酸素”
なんだか悪そうなやつに聞こえますが、酸素を吸ってエネルギーとしている好気性生物である以上、ミトコンドリアがエネルギーを作る過程で必ず出てしまう、副生成物です。
活性酸素は、ある程度の量では自然免疫に必要な場合があります。
(参照:「活性酸素が炎症・アレルギー反応を活性化する新たな仕組みの発見」)
一方で、活性酸素の量が多すぎると細胞自体を攻撃して変性させるなどの障害が起きてしまいます。
こうして酸化された細胞をよく「肌のサビ」と表現しますね(^^;)
肌サビも、アミノ酸へ分解されて、次なる細胞の材料になれば問題ないのですが、量が多いと蓄積してしまったり、
いわゆる”糖化”されてしまうと、分解できずに滞ってしまうため、肌ぐすみの原因になったりしてしまいます。

ところが、私たちの身体は、この活性酸素に抗うすべを既に持っています
SODと呼ばれる酵素や、タミンA,C,Eなどの抗酸化物質です。
一時期「リコピンが豊富!」といって流行ったトマトも、抗酸化物質を摂取できる点で着目されていました。

エイジングケア系のコスメにはポリフェノールなどの抗酸化成分が必ずと言っていいほど配合されているのは、
エイジングと活性酸素は大きな寄与があるためだと言えそうです。

④不良整生体成分説

上の話と少し似てきますが、糖化などの異常たんぱく質や、過酸化脂質蓄積性異物などの生成物が分解されずに蓄積すると、細胞が本来の構造を保ちづらくなったり、本来の色とは異なった”黄ぐすみ”になったりしてしまいます。
※以上タンパク質生成詳細についてはこちら

⑤接種カロリー説


こちらは肌老化とは少し違うかもしれませんが、摂取カロリーをある程度制限した方が寿命が延びるというお話です。
マウスでの実験例が有名ですね^^

⑥炎症ダメージ説

炎症箇所からは活性酸素が発生し、活性酸素が発生すると炎症を引き起こし…
ニワトリが先か、タマゴが先かの話にはなってしまいますが、
炎症は確実に肌ダメージのトリガーとなります。

特に、はっきりとした炎症生体が異常と判断するため治そうと働くのですが、
微弱で慢性的な炎症は生体が異常認識せずにストップがかからないことが多いため、
ダメージを与え続けたり、慢性的な刺激によりメラノサイトが異常活性してシミの元になったりします。

炎症の元となる乾燥を抑える、つまりきちんと保湿ケアをすれば、それだけでエイジングケアとなるのです^^

老化は、これら6つの要因のうちどれか一つではなく、すべてが関係していることが重要です!
そしてこれらの要因が積み重なると、恒常性が維持できなくなり、加齢現象となるのです。

 

3.アンチエイジングのキーワード

どんなお悩みでも、スキンケアの本質は
お悩みの要因抽出 ⇒ 真因の見極め ⇒ 対策案の選定
です!

一時的な対処療法ではなく、「なぜその悩みが起こったか?」を読み解くと、
楽に、恒久的に対策ができるものです^^

今回、エイジングの要因として浮かび上がってきたキーワードは三つ

①炎症, ②UV, ③活性酸素

是非、このキーワードを覚えてください!

そして、炎症もUVも活性酸素に行きつきます
だから、殆どのエイジングケアコスメに抗酸化成分が配合されているのです。

予防的なアンチエイジングには、酸化ストレスから守ることが基本
そして、アンチエイジングに限らず、なんといっても肌のバリア機能を高めることが効果的です。
セラミドのような肌の保湿性に大きく寄与する成分や、肌を柔らかく保つための油分の補給が有効でしょう。

また、エイジングケアコスメには、最近話題のペプチド活性因子として配合されていることも多いです。
ペプチドは生理活性があるものも多く、分子量もあまり大きくないので浸透力も高いかもしれませんが、
あくまで化粧品なので効きすぎない量を配合されているものと考えられます。
(効きすぎると医薬品としての取り扱いが必要)

”酸化反応”は瞬間的なものであり、化粧品としては常々肌へ染み込ませておく必要があります。
またペプチドのような量的に緩和な成分の効果への期待は、持続的な使用が必要となります。
「理論的に有り!」と思ったら、継続的に使い続けることをオススメします^^

 

4.アンチエイジング化粧品の動向


岡部さんはあらゆるメーカーの新作発表会に行かれているため、化粧品の最新動向の考察がとってもお得意です✨
こんなに新作発表会に足を運ばれている科学者っていないように思いますので、とっても貴重なご意見を聞くことができました✨

〇効果のある化粧品

まず、最近のエイジング化粧品の動向としては効果を求められる傾向にあるのだそう。
例えば、デリバリーや、幹細胞再生医療ポイントケアなどなど…

代表例といえば、医薬部外品でのシワ改善化粧品の登場ですよね!
参考)★シワ改善化粧品『リンクルショット メディカルセラム』開発ストーリーと効果メカニズムについて

POLA(リンクルショット メディカルセラム:有効成分 NEI-L1(ニールワン))を筆頭に、
資生堂(エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム:有効成分 レチノール)
コーセー(コスメデコルテ iP.Shot アドバンスト 及びONE BY KOSE :有効成分 ナイアシンアミド)と,
医薬部外品を取得しました。
傾向としては、有効成分に新規成分を使っているのはPOLAのみで、
資生堂はやコーセーは上記の通り、既知成分で広く使われているもの。
レチノールはDHCでもよく使用していましたし、ナイアシンアミドはSK-Ⅱに配合されていたりします。

化粧品は効果の訴求内容が薬機法によって厳しく定められているため、
「効果があると言ってはいけないけど実は効いてた!」という、化粧品あるあるの代表例だなぁと感じました(^^;)
化粧品は技術的に言えない部分(例:シワ改善効果)と効果は無いのにあるように見せる部分(例:物成分20種類配合!等)があるので、面白いですよね。

 

〇脳機能や五感刺激の訴求

最近のアンチエイジングコスメは、
見た目効果としてのシワ、シミ、たるみなどへの訴求はもちろん、
機能的効果としての抗酸化や抗糖化、紫外線・ブルーライトや大気汚染、細胞新生促進などなどに加え、
脳機能活性化五感刺激を訴求したコスメが増えているのだそう。

例えば、『日本抗加齢医学会総会』という学会があるのですが、そこで見られたアンチエイジングキーワード
”人生100年””ポジティブサイコロジー””フレイル”などといった、生き方に関する内容が増えている、
つまり容姿を美しく保つだけでなく、化粧品使用者へ与える心の豊かさが益々求められていると言えます。

5.抗アンチエイジングからの脱却

化粧品は、「美」を演出するためのツールです。

美しくなった先に何があるのでしょうか?
忘れてしまいがちですが、考えてみてください。

きっと、自己実現であったり、生き方を充足させるために美しさを求めている方が多いのではないでしょうか。
私も、そのうちの一人です。

当然、化粧品だけが全てではないのです。
健全な精神で、健康な体があれば、その人は人生を楽しむことができるでしょう。

美は健康の指標の一つですので、美しくなるということは心と身体の健康を保つことと似ています

化粧品は、人の魅力を増し、豊かな人生を送るための一助なのではないでしょうか。

 

少し前に、こんな会話をしたことがありました。

「シワ一つない女性を美しいと思いますか?」

これには、様々な意見があると思います。
では逆に、

「シワだらけの女性で、美しい人を見たことはありませんか?」

その場にいた全員が、”Yes”でした。

そのシワだらけの女性は、人間的な魅力が溢れていたのでしょう。
生き様人としての魅力がその人相に見て取れたに違いありません。

「老いる」ということは、生物種が生き残るために必要な世代交代の機能です。
アンチエイジングとは、その名の通り年齢に抗いシワ一つ無く過ごすことではなく、
自分らしく生きるための魅力研究として、活用すべきものではないかと感じる今日この頃です。

岡部さんの素敵な言葉を教えてくれました^^

「化粧品は幸せ産業」

化粧品を通じて、より多くの幸せを見つけられますように☆彡

 

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理系美容家 かおり

5月31日生まれ
宮城県出身
某国立大学大学院卒

【所有資格】
物質工学修士
コスメコンシェルジュインストラクター
日本化粧品検定一級
化粧品成分検定一級
ダイエット検定一級
カラーコーディネーター三級
入浴検定
デントフェイシャルケアセラピスト

【自己紹介】
化粧品研究員を目指していた背景から、
有機化学、無機化学、生化学等を学んできました。
加えて各種美容健康に関する資格を取得し、独学と合わせて
最短最適の美容法として「正しい美容知識の理解」を推奨しています。
又、化粧品では改善できないむくみ・血行促進・たるみ等へのアプローチ法として
筋肉・リンパをケアするフェイシャルトレージを考案しました。
趣味はダンスで、埼玉県北部のイベントや結婚式場でのflash mob, ショーケース等に出演しています。

【活動内容】
美容セミナー講師
MAQUIA(集英社)公式ブロガー
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